猫背 症状
猫背になると本来の骨格でカラダを支えられないので様々な症状が現れてきます。あなたも何か不調を抱え、それが猫背と関連しているのではないかと疑問に思ったからこそこの記事に辿りついたのではないでしょうか。
そしてその不安はおそらく的中しています。と言い切れるくらいに猫背からは多くの症状が発生します‥。
ここでは猫背が「どのような影響」を身体に及ぼすのかを説明し、「大きく5つに分類した症状」をそれぞれどんな症状があるのかを解説していきます。
1.さまざまな症状を呼ぶ「猫背」とは
1-1.背骨は屋台骨
猫背とは「背中が丸くなった状態」というのは誰でもイメージが湧くと思いますが、実際には「土台である骨盤」から丸くなっていて、そのまま弧を描くように「顔と肩が前に出ている」のがほとんどです。
本来の人間の「背骨」は緩やかなS字カーブを描いていて、体重や動きを支える「芯」と「クッション」の役割を担っています。そしてその中を脳から全身に向かう「神経」が通っているのです。まさに「カラダの屋台骨」ですね。
1-2.猫背が及ぼす影響
ところがこの背骨は上から真っすぐ荷重が掛かった時にはクッションの役割を果たしますが、背中が丸く「Cの字」になると途端に「芯やクッション」の役割を果たせなくなります。これは想像すると子供でも分かるほど当然ですよね。
すると骨格で支えられなくなった身体を、そのぶん筋肉が頑張って支えなければいけません。常に緊張している筋肉は硬く凝ってしまい、血流も悪くなります。
すると余計な疲れが生じたり、背骨の中が狭くなったり、筋肉の中を通る神経が圧迫されたりと、全身に様々な不具合(症状)が生じてくるのです。
2.猫背からくる症状
2-1.筋肉症状
これはもう猫背の代表的な症状ですが、次のようなものが挙げられます。
- 肩こり 首こり
- 頭痛 めまい
- 腰痛 膝痛 足痛
他にも全身どこの箇所にも疲れやコリが現れます。その理由は「骨格でカラダを支えられない」ために筋肉が無理に頑張っているので当然ですよね。
「肩こり解消には猫背を治せ!プロが教える3つの改善方法」
「猫背は腰痛の原因に!プロが教えるその正体と改善法」
・筋肉症状と猫背との関連性
例えば人間の頭は5~7キロ程ありますが、これはボーリングの球と同じくらい。これが真上から荷重していれば骨格で支えられますが、猫背になって頭が前に出てくるとそうはいきません‥。皆さんもボーリングで投げる前の構えの時、肘から球までをほぼ真っすぐに立てて持ちますよね?
これを傾けて持とうとするとどれだけ腕がプルプルするかは想像できると思います。猫背の人はこんな負担を常に首・肩・腰などに掛けて生活しているようなものなので、首・肩がこったり、そこで血流が阻害されて頭痛・めまいな現れたり、腰が痛くなったりもします。
またその影響は下半身にも現れます。猫背で腰が丸くなるとそのぶん膝が前に出てしまうので、負担が掛かった膝・足に痛みが出たり、足の張り・むくみ・疲れとして現れるケースもあります。
2-2.神経障害
これは猫背になってすぐに表れる症状ではありませんが、気付いた時にはかなり悪い状態になっている事も‥。現代ではわりと沢山の人に起こる症状で、大きく分けて次の2つに分類できます。
2-2(1)神経による痛み・しびれ
丸くなった背中・腰では体幹の筋肉が上手く働けません。それではお尻の筋肉が小さく弱くなってしまうので、座った時にクッションになれずに坐骨神経や血管が圧迫されてしまいます。または使われない筋肉が硬く萎縮して神経を圧迫します。
こうしてそこから先の太もも・ふくらはぎ・足に「痛み・しびれ」といった症状が現れるのです。
また上半身でいえば「胸郭出口症候群」もそうですね。胸郭出口症候群とは詳しくは「胸郭出口症候群の10症状/しびれ~めまいや頭痛まで」に書いてありますが、鎖骨の周囲で神経・血管が圧迫されることで、そこから先の腕・手に痛みやしびれといった症状が現れるものです。
猫背で背中が丸くなると「首・肩・胸・お腹」などカラダの前側は縮こまってしまい、これでは筋肉も縮こまって硬くなるので、その中を通る神経・血管も圧迫されてしまいます。
他にも「ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」など、背骨の中を通る神経が障害される事で現れる症状もあります。
2-2(2)自律神経失調症
(1)の場合は神経が「直接」阻害される事での痛みやしびれなのに対し、こちらは身体の様々な機能をコントロールしている「自律神経」の不調によって現れる色々な症状です。
その症状は「自律神経失調症の11症状/こんな不調まで?」に記してありますが「不眠症・イライラ・しびれ・便秘・めまい・動悸」や他にもまだまだ沢山あり、原因不明の不調や倦怠感の多くがこれに当てはまります。また精神的にも追い込まれるので「うつ」に繋がることも‥。
猫背でいると「2-1筋肉症状」で説明したように筋肉が無理に頑張り続けている状態なので、コリや血行不良を生じます。実はこれは精神的にも肉体的にもかなりのストレスなのです。猫背は「毎日・一日中」続くものなので、身体はずーっとこのストレスを感じています。
そして自律神経は「継続的なストレス環境」には弱いものです。だんだんと身体の機能をコントロールできなくなった結果、様々な症状がカラダを襲います。
2-3.骨格障害
- 脊椎(頸椎・胸椎・腰椎)の変形
- 変形性関節症
- O脚
- ストレートネック
他にもありますが代表的なものとして上記のものが挙がります。
まず背骨とは小さなブロックが約24個積み重なって構成されており、頸椎や腰椎とはこの一つ一つのブロックの事です。そして猫背で背中が丸くなると、このブロックが本来のバランスで積み重なりません。こうして圧の掛かり具合がバラバラになったまま身体を支え続けた頸椎や腰椎は変形していき、その間のクッションである椎間板による神経障害などの症状を引き起こします。
また屋台骨である背骨が身体を支えられないと、そのしわ寄せは末端が被ることになり、股関節や膝の関節が変形する「変形性関節症」になったり、O脚やX脚、肩関節の痛み、顎関節症、ストレートネックとなって現れるのです。
2-4.内臓症状
猫背で前屈みの姿勢が続くと、お腹は常に圧迫されて押し下げられています。これでは内臓もストレスが溜まってしまい本来の働きをする事ができません。
その結果食欲不振・便秘・倦怠感などの症状が現れ、これが長年続くと本格的な内臓疾患に繋がるおそれもあります。
2-5.スポーツ障害
猫背はもちろんスポーツにも悪影響を及ぼします。一流のプロ選手に猫背の人はほとんどいませんよね?
もちろんなかには天才的な感覚を持つ人もいて、フィジカルとは関係のない競技で活躍する事は可能かもしれません。しかし多くのスポーツに共通するのは「身体の軸が重要」という事です。ところが猫背ではこの軸がCの字になるので、軸の役割を果たせません。
さらに走る・投げる・打つ・振るなど多くの動きに共通しているのが、そのエネルギーは股関節(下半身)で生み出されるという事です。しかし猫背の人はこの股関節を上手く使う事ができないので、お尻や体幹などの大きな筋肉が働かきません。つまり「走れば遅い」「手投げ」「手打ち」「ボディバランスも悪い」など悪い事尽くめとなってしまうのです。
その結果パフォーマンスが落ちるだけでなく、様々なスポーツ障害となって現れます。
「オスグッド・シンスプリント・足底腱膜炎・股関節痛・腰痛・野球肩・肘痛・首痛・腱鞘炎」など、他にも挙げればキリがない程に症状があります。
正しい位置で軸が作れず、正しく筋肉を使えなければそのしわ寄せがどこかに現れるのは当然ですよね‥。
2-6.美容症状
美容にとっても猫背は悪い事尽くめです。内臓の不調からくる「肌荒れ・ニキビ」といった症状はもちろん、「循環不良」によって「冷え性」「むくみ」も引き起こします。
また見た目の問題としては「バストの垂れ下がり」「ヒップの垂れ下がり」「太ってないのにポッコリお腹」が明らかです。そして筋肉の働きが悪く血行不良では「代謝が悪い」ので「太りやすい」という事‥。また身長にも関係してくるので、気になる人は「猫背を治すと身長が伸びる!プロが教えるその方法と2つの理由」をご覧ください。
さらに猫背は「顔の歪み」や「顎関節症」にも影響を与えるので、美容の観点から見ても猫背は大敵です。特に首が極端に前に突き出す「首猫背」はその典型ですよね。心当たりの人は「首猫背とは/その原因と4つの治し方」をどうぞ。
3.「猫背からくる症状」まとめ
ここまで説明したように猫背によって様々な症状が引き起こされてしまいます。まさに猫背は「百害あって一利なし」。
そしてあなたも心当たりがあるからこの記事を読んだはずです。しかしその症状以外にも「今まで不調を感じていた症状がここで猫背と結びついた‥」なんてものもあるかもしれませんね。
このように害を及ぼす猫背は、解消したほうが人生を健やかに過ごせるのは言うまでもありません。もちろん長年の生活習慣でクセ付いたものを治すのは「手間と根気」がいる作業です。
それでも放っておけば少しずつ、それでいて確実に猫背は悪くなっていくので、手をこまねいて症状がきつくなるのを待つのは嫌ですよね?
変わるも自分。変わらぬも自分。
おすすめの改善法は「猫背を治す3つの方法/高改善率の秘密こっそり教えます」に記してあります。まずは「猫背改善ストレッチ/驚くほど効果的な4つの方法」から始めると良いかもしれませんね。
そして本気で猫背を変えたい人は「猫背は整体で治る!プロが教える6つの選び方」をご覧になる事が一番の近道です。
あなたも少しの「手間と根気」を掛けながら「健やかな毎日」を取り戻して下さいね。
※当記事は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。また何か症状を感じた時にはまず医療機関の受診をおすすめします。