猫背矯正ベルトの効果
パソコンやスマホの普及した現代では猫背に悩む人が沢山いますが、あなたも猫背からくる不調や見た目の悪さから猫背を改善しようと「矯正ベルト」を考えたのではないでしょうか。もしかするとすでにいくつかベルトを試したけれど猫背が改善できなかった人もいるかもしれませんね。
ここでは猫背矯正ベルトによる効果を「猫背の原因」から解説し、それに対して「どんなメリット・デメリット」があるのか、また「ベルトに頼らない猫背矯正」までを紹介していきます。
1.ベルトの前に知ろう「猫背の原因」
1-1.筋肉や関節の硬さ
猫背とは背中が丸くなった状態ですが、反対に言えば「前側は縮んだ状態」です。この時「首の前・胸・お腹」などの前側の筋肉が硬くなって縮んでいるので、背筋を伸ばそうと思っても前側から引っ張られて伸びられない状況になります。また「横隔膜などの深層筋」も硬くなり、カラダの中からも縮んでいます。
さらに常に丸まって動きが少なくなった背骨や、前に張り出した肩甲骨は段々そのままの位置で固定されていきます。
こうして「猫背仕様」になった筋肉や関節は固まり「良い姿勢にすると苦しい」と感じてまたすぐに猫背に戻ってしまうのです。
1-2.体幹の弱さ
体幹とは「カラダを支える胴体」の事であり、お腹側は「腹横筋」が、背中側は「多裂筋」が、この2つで胴体をグルリと囲むコルセットを形成しています。
そのコルセットの天井には「横隔膜」が蓋をし、コルセットの底は「骨盤底筋」が支えています。この4つの筋肉は「インナーユニット」と言われ、内側から「土台」としてカラダを支えているのです。
という事はこれらの筋肉が弱くなると「体の幹が潰れた」状態になり、内側から支えられなくなった身体は「お腹はポッコリ・背中は丸く」と猫背の原因になります。
1-3.カラダの歪み
カラダの歪みも猫背の大きな原因となります。単純にイメージしても「傾いたりズレている積み木」は真っすぐに立っていられないですよね。人間も同じで、骨盤や骨格に歪みがあるときちんと積み重ならないのです。
この歪みが残ったままではいくら前側の筋肉を緩めても体幹を鍛えても、骨格でカラダを支えづらいので結局猫背に戻ってしまうケースが多いでしょう。
そして「歪みは猫背を呼び、猫背は歪みを増長する」ので、進行した猫背は「猫背からくる5つの症状/肩首腰から内臓からスポーツ障害まで」に記したような様々な症状を呼び込んでしまうのです。
1-4.普段の姿勢
これは当たり前ですが、普段の姿勢が悪い人は猫背になりどんどん進行しやすいです。仕事中や勉強中はもちろん、スマホや読書などでうつむき姿勢が多い人もさらに猫背を悪化させます。
また座って足を組む・いつも同じ肩にカバンを掛ける・片肘付いて運転する等、他にも気づかぬうちに自分で「カラダを歪ませる姿勢」を取っている人が多いので要注意ですよ。
原因について詳しく知りたい人は「猫背の6大原因あなたは大丈夫?筋力不足からまでカラダの歪みまで」に上記4つ以外にも記してあります。
2.「猫背矯正ベルト」の効果
2-1.猫背矯正ベルトの「メリット」
- 強制的に姿勢を伸ばされる事で、姿勢意識が改善される
- 装着している間は良い姿勢に見える
- 体幹のインナーユニット強化につながる場合がある
これを見てわかるように代表的な効果は「着けている間は良い姿勢」に見えるという事です。つまり「これから猫背を改善していこうとする人には不向き」であり「一時的に猫背に見えないようにしたい人向け」のものとイメージした方が良いかもしれませんね。
ただし他の猫背改善策と並行するならば効果を発揮してくれるケースもあります。背筋が伸びたことがない人に「伸びた感覚」を意識させてくれ、また矯正ベルト着用中もそれに頼り切らないで「体幹で支えるように意識」できればインナーユニットが働いて少しづつ強くなります。
とは言えこの「ベルトに頼り切らない」というのはかなり難しい事なので、長期着用ではデメリットの方が大きくなるかもしれませんね‥。
2-2.猫背矯正ベルトで「効果が無いこと」
- 硬くなった筋肉は緩まない
- 背骨の動きは固いまま
- 歪み改善はできない
- 呼吸が浅くなりがち
- 頼りきると自分の筋力が落ちる
上記の5つを見て分かるように「猫背の原因」に対しては「矯正効果は期待できない」という事です。
さらに本来自分の筋力でカラダを支えなければいけないのにベルトに頼りきる人が多く、それではどんどん筋力が落ちていきます。またもともと猫背で「腹式呼吸」ができていないうえに矯正ベルトによって肩や背中を固められると、意識が上にあがって「胸式呼吸」になってしまいます。これは首・肩・胸が疲れて硬くなり、横隔膜が動かないのでインナーユニットは弱くなっていきます。詳しくは「猫背の原因」の記事に。
2-3.どのベルトも矯正効果は大差なし
私が猫背を改善してきた人の中にも「何種類も矯正ベルトを使ったけれどダメだった‥」という人もいますが、皆さんが言うのは「効果にどれも大差はない」という事です。
もちろん個人個人の体形によっても付け心地は変わってくるので必ず試着してみてからをおすすめしますが、値段が高ければそのぶん矯正効果が期待できる訳ではなさそうですね。
3.ベルトに頼らない猫背矯正法
ベルトでは矯正効果があまり期待できないと解説してきましたが、絶対に使わない方が良いと言っている訳ではありません。実際に矯正ベルトによって猫背を改善できた人も居るはずですから。
ただし矯正できた人たちはベルトだけに頼ってはいなかったはずです。「自分で身体を支える」という意識を持ってストレッチ・運動・普段の姿勢などにも積極的に取り組んだ人ではないでしょうか。
それくらいの意識がある人ならば矯正ベルトを使用しても「頼りきらない」で「良い姿勢への意識」という効果だけを貰う事ができる訳です。
あなたも「矯正ベルトの良いとこ取り」をする為には「自分の骨格と筋肉でカラダを支える」という意識を持って、自分でできるケアにも取り組んでいきましょう。
猫背矯正は簡単ではないですが地道にやっていけば着実に効果は表れてくるので、そのための方法を以下に記しておきますね。
「猫背改善ストレッチ/驚くほど効果的な4つの方法」
「猫背矯正に効果的な椅子/日本人に合うたった1つの座り方」
また自分ではどうしても猫背矯正できなかったという人は、身体のプロである整体に掛かる事で全然違った効果を感じられるはずです。もしかすると猫背矯正への一番の近道になるかもしれませんね。
とはいえ「整体に行ったけどあまり効果なかったよ‥」という人は、残念ながらそこは上手な整体ではなかったのでしょう。整体と謳いながらもリラクゼーション系のお店も沢山あり、改善系の中でも腕は千差万別‥。「猫背は整体で治る!プロが教える6つの選び方」にて効果のある整体院の見つけ方を記しておきます。
百害あって一利なしの猫背。あなたもぜひ矯正して心身ともに健やかな毎日を送って下さいね。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。