質の高い睡眠
「たっぷり寝るなんて、時間がもったいない‥」
仕事や家事が忙しいうえに、テレビやネットによって情報・娯楽が氾濫している昨今では、やりたい事をやっているとついつい遅い時間になってしまいますよね。そして朝になり「疲れが残ったまま後悔‥」なんて経験は、おそらく皆さん日常茶飯事なのではないでしょうか?
さらには不眠症の人も含めるとかなりの人が睡眠不足に陥っています。次の状態に一つでも当てはまる人は不眠症のおそれがあるのでチェックしてみましょう。※自己判断で済ませずに一度病院の受診をおすすめします。
- 入眠困難=なかなか(30分~1時間以上)寝付けない。
- 中途覚醒=寝付けるけど、夜中に何度も目が覚める。
- 早期覚醒=起きたい時間よりもかなり早く目が覚めて(4時・5時など)、そのまま眠れない。
- 熟眠障害=眠りが浅い。睡眠時間のわりに熟睡感が得られない(疲れが取れない)。
このようにして睡眠不足になって疲れが取れないと、体の痛みも含めて様々な不調が現れてきます。仕事や日常生活にまで支障をきたす不調の原因には、睡眠不足も影響しているのは言わずもがなですよね。
意図的に睡眠時間が少ない人にも不眠症の人にも、しっかりと「質の高い睡眠」を取って健康に過ごせるように解説していきますね。
1.「質の高い睡眠」と自律神経の関係
一晩寝て起きると少なからず身体が回復すると思いますが、これは睡眠中に副交感神経が強く働くことで身体を「休息モード」にしてくれるからです。そのおかげで内臓機能や血液循環も良くなり、身体を回復・修復できます。
ところがストレス過多である現代の生活環境では、交感神経(興奮モード)が強くなり過ぎるので夜もうまく休息モードに切り替えられません。その結果、寝る時間にも興奮状態が続くので「睡眠障害」が現れたり、寝ても回復できずに「疲れが取れない」という事になってしまうのです。
もちろん夜遅くまでスマホやパソコンに接していて睡眠時間の短い人は言うまでもありませんね‥。
自律神経(交感神経・副交感神経)について詳しく知りたい人は「自律神経失調症とは/4つの原因と改善法」をどうぞ。
2.「質の高い睡眠」への6つの方法
「質の高い睡眠」に効果的なのは「交感神経の興奮を抑えて副交感神経を働かす」ことです。
そのためにはあなたの一日の行動を見直さないといけませんよね。なぜなら朝起きてから寝るまでの活動(自律神経リズム)が、睡眠時の自律神経にも強く影響しているからです。
つまり「自律神経を整える」ことが質の高い睡眠なので、以下にそのための方法をお伝えしていきますね。
2-1.朝早くに日光を浴びる
睡眠不足の人によくあるのが、夜は目が冴えるのに昼間は逆に「ボーっとする」「イライラする」という事‥。
これは体内時計が狂ってしまい、体は起きているのか寝ているのかハッキリしない状態になっているという事です。
そこで朝日を浴びることによって「本来起きる時間に身体を起こす」というスイッチを入れる事ができます。さらに初めの日光刺激から約15時間後に睡眠を促すホルモンが分泌されるので、朝日を浴びておけば夜にきちんと眠くなりやすいという事です。
このように日光を浴びることは一日の大きなリズムを生み出す事になるので「こんなに簡単!日光浴で自律神経改善6つの秘訣」をご覧ください。
2-2.入浴
ひとは体温が下がる時に眠くなるので「入浴によって上がった体温」が下がっていく時に寝付きが良くなるという事です。という事は寝る2~3時間くらい前にお風呂に入ると良いですね。
そして40℃くらいのぬるめの湯につかると心も体もリラックスして副交感神経が働き出します。
つまり『寝る2時間くらい前に40℃のお風呂に10分間』と意識して入浴するだけで自律神経も整い、質の高い睡眠への近道になるはずですよ。詳しくは「効果的な入浴方法/簡単に疲れも解消する5つのポイント」をご参考に。
2-3.呼吸
日常から腹式呼吸を心がけることで自律神経が整いやすくなります。また布団に入ってからもゆったりと深い呼吸を意識することで「副交感神経(休息モード)」が働きだすので良い睡眠に繋がります。
私たちは普段から無意識に呼吸をしていますが、一生の間におよそ5億回以上も繰り返しています。この一回一回が少し深い呼吸になるだけでトータルでどれだけ良い影響を与えてくれるか計り知れません。
「腹式呼吸のやり方3ステップと効果的な方法」に詳しく書いてあるので一度目を通し、ゆったりとした呼吸を身に付けてみてはいかがでしょうか。
2-4.歪みは大敵
カラダの歪み(骨格のズレ・姿勢不良など)があると色んな箇所の負担が掛えるので、実は身体にとってのストレスの元になります。
「家」でイメージしてみましょう。土台が傾いているとその上に載っかる建物も傾いてきて、ドアや窓も歪むので開け閉めが大変になりますよね。そして家を支える柱にも捻じれや軋みが生じるので、その負担が掛かり続けると段々ともろくなるのは想像できると思います。
人間にももちろん重力が働くので、それに逆らって身体を支えなければ生活できません。ここで歪みや姿勢不良があると骨格で支えられないので、筋肉が必要以上に頑張りつづけることになります。
すると身体が休まらなくなり、交感神経(興奮モード)が働きどおしになってしまいます。そして寝ている間も「歪み・筋緊張」は残ったままなので、浅い眠りになって身体が回復できないまま朝がやってくるのです。
歪んでいると自律神経がおかしくなるのはこういう理由なんですね。
2-5.テレビ・スマホ・パソコンは、早めに切り上げる
「朝日を浴びた」「良いタイミングでお風呂にも入った」と自律神経を整えても、寝る直前までテレビ・スマホ・パソコンに接していてはせっかくの良いリズムが台無しになってしまいます。
これらは強い光を発しているので、この光が目から入ってくると自律神経は興奮してしまうんです。すると寝付きが悪くなったり眠りが浅くなるなど悪循環に元通り‥。
寝る2時間くらい前にはスマホ・パソコンを見ないようにして、部屋の照明も暗くしたりオレンジ色の電球にするなどの工夫をし、なるべく目から強い刺激が入らないようにして下さいね。
2-6.カフェインは控えめに
コーヒー等のカフェイン飲料が好きな人は多いですが、これも摂り過ぎると質の高い睡眠には悪影響です。なんといってもカフェインは「眠気覚まし」に使われるくらいに覚醒・興奮作用があります。
飲んですぐに効果が消えるわけではないので、夕方以降に飲むと睡眠に影響してきます。ですので飲むならお昼までにしましょう。またその量も1~2杯に抑えるほうが良いのは言うまでもありません。
3.質の高い睡眠まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここで挙げたポイントの逆をやっていた人も多いと思います。しかしそれでは「質の高い睡眠」には程遠く、カラダは健康にはなりにくいでしょう。
ここまで読んだ人は理解してくださったはずですが、質の高い睡眠には良い準備が必要という事ですね。一日の疲れを明日に持ち越さないためにも、ぜひこの記事を参考にして「質の高い睡眠」を手に入れてください。
そしてもっともっと自律神経を整えて元気になりたい人は「つらい不調もこれで改善!自律神経を整える12の方法」をご参考に。
※当記事は整体院による私見ですので、あくまでも情報の活用は自己責任にてお願い致します。