股関節痛の治し方
股関節は大きな負担の掛かる関節なので、様々な疾患を発症しやすく、痛みや違和感を感じてしまいやすい関節の一つです。
この記事では股関節痛の「原因」を解説したあとに「おすすめの治し方」を4つの視点から紹介していきます。もしすでに「原因のページ」をご覧になられた人は「1.原因」を飛ばして「2.治し方」から読んで下さいね。
1.股関節痛の治し方「まずは原因を知ること」
治し方の効果を上げるためにはまず股関節痛の原因を知ることから始めましょう。
1-1.股関節の役割
股関節の場所からも分かるように「上半身と下半身のつなぎ目」として存在しています。そしてこの股関節の主な特徴は「上半身の重さを支える」ことと「全方向に動く」ことの2つ。簡単に言いましたが実はこれって凄いことなんです。
全方向に大きく動くのは球関節と呼ばれるその構造のおかげであり、「球」が「凹み」に浅くハマるような形をしているので全方向に大きな可動域を持っています。この自由な動きのおかげで私達は「座る・歩く・走る・跳ぶ」などの動作が行えるのです。
ところが「重いものを支える」という視点からはこの大きく動く関節は必要ありません。ふつう重いものを載せる土台はどっしりと動かない方が安定する感じがしませんか?土台がグラグラ動く場合は不安定な感じではないですか?
しかし股関節は体重を支えなければならない上に全方向に可動域があるので、この「支える・大きく動く」という矛盾を抱えているのです。
こうして股関節が頑張ってくれるからこそスポーツや日常生活において自由な動きを体現できるのですが、その分おおきな負担が生じやすいのです。
1-2.股関節痛の原因
先に説明したように股関節が矛盾を抱えながらも頑張ってくれるからこそ私達はスポーツや日常生活において自由な動きを体現できるのですが、そのぶん大きな負担が掛かっています。そしてただでさえ大きな負担が掛かる股関節なのでバランスを崩しやすく、特別な疾患がなくても痛みが出やすい関節の一つと考えられます。
その原因は大きく分けて以下の4つです。
- 姿勢、フォーム
- 骨格のズレ
- 筋肉の不健康
- 間違った重心
正しい姿勢でいる時は股関節にも正しく荷重が掛かりますが、姿勢が崩れると一部に大きく負担が掛かってしまいます。股関節の歪みについては「股関節の歪み/その症状と3つの矯正方法」をどうぞ。
また長い進化の末に出来上がった人間の骨格は、本来の位置にある時には効率的に体を支えながら効率的に動かす事ができます。ところが長年のクセや姿勢不良によって骨格の位置が少しずつズレてしまうと余計な負担が生じる事になるのです。
こうして姿勢不良や歪みによって必要以上に頑張らなければいけない股関節周辺の筋肉には負担が掛かり過ぎて硬く縮んだ筋肉になり、その中を通る血液の循環も悪くなります。すると老廃物や発痛物質が溜まるうえに、栄養が届かず回復できないので痛みも感じやすくなります。
そして歪んでしまったり痛みをかばっていると自分でも気づかないうちに重心も傾いてしまうので、さらに姿勢不良・歪み・筋肉への負担になりますよね。
もちろんこの4つの原因はどれが最初という事はなく、互いに影響しあって悪循環を引き起こすのです。
このようにして負担が掛かり続けた股関節から「もう原因だよ‥」と発せられたメッセージが痛みなので、これらの問題を取り除く事が【正しい股関節痛の治し方】への道なんですね。
※ただし特定の疾患やケガでの痛みも考えられるので、自己判断はせずに一度医療機関の受診をおすすめします。
2.股関節痛4つの治し方
2-1.ストレッチ
股関節痛の治し方1つ目はストレッチによる「筋肉の問題」の改善です。ただし無理矢理伸ばすのは逆効果ですので、血流が良くなる程度を意識して気持ち良さを感じながら行って下さい。おすすめの方法は「股関節の痛みにストレッチ/効果的な4つの方法」をどうぞ。
2-2.マッサージ
股関節痛の治し方としての「マッサージ」は痛い箇所を揉むことではありません。
筋肉が局所的に硬くなる部分を「トリガーポイント」と言いますが、これができるとその周囲だけでなく離れた部分にも痛みを飛ばします。また全身の筋肉の表面は「筋膜」と言い、どこかで縮んでいると離れた部分も引っ張られて痛み始めます。
こうした筋肉の特性の知ったうえで、その部分に負担なくマッサージできるのならば良いでしょう。しかしマッサージ屋さんに行っても股関節痛が治らないように、むやみなマッサージは意味がないどころか逆に筋肉や筋膜に負担を掛けているおそれもあります。
ここでは専門的にお伝えする事は難しく、また人それぞれ状態が違うので自分でできる方法を紹介する事も難しいですが、もしもタイプ別などにまとめられれば他の記事で紹介していきますね。
2-3.自律神経を整える
自律神経と股関節痛には一見なんの関係もないように思えますが、そうではありません。
自律神経は「血流・内臓の働き・体温調節・免疫・身体の修復」など、生きるための大切な機能を無意識のうちにコントロールしてくれています。もちろん股関節周辺の細胞や筋肉も疲れたり傷ついたりすると身体が勝手に治してくれているのです。
ところがこの自律神経は高性能な働きをするぶん「繊細」にできているので、コンピュータのようにすぐに不具合が生じます。その原因は「ストレス・疲労・生活リズムの乱れ・歪み」など様々ですが、これらのせいで自律神経の働きが低下すると溜まった疲れが取れなくなります。
すると常に「負担量>回復量」の状態になってしまうので痛みも取れにくく、股関節痛にも繋がるという訳です。
すぐに股関節痛が治る訳ではありませんが、自己回復力を高めて「治療効果UP・再発予防」という意味では自律神経を整える事も「股関節痛の治し方」として有意義です。興味のある人は「自律神経を整える/体質改善のための12の方法」をご覧くださいね。
2-4.整体
- 横座りをよくする
- いつも同じ側にばかり体重を掛ける
- 座っているとすぐに足を組みたくなる
- 仕事中はいつも横を向いている・傾いている
- カバンを掛ける肩がいつも同じ
などカラダを歪ませる原因は他にも書き切れないほどあります。これが些細な歪みならば健康な人は寝ている間に整えられますが「歪み・疲労が強すぎる人」もしくは「回復力が低下している人」は日中の疲れや歪みを回復しきれません。
するとだんだん身体に歪みが定着し始めますが自分ではなかなか気づかず、「体からメッセージが発せられた時」つまり痛みが出た時に初めて異常事態に気付くのです。
こうなると「自分でできる治し方」だけでは難しいので、身体のプロである整体院に行くことをおすすめします。ただし整体の技術もピンからキリまで様々‥。名古屋近郊の人は「名古屋で股関節痛改善」にご相談いただければ良いですが、全国の皆さんはそうもいきません。
そこで当整体がどのようにして股関節痛を改善してきたのかを「股関節の痛みは整体で治る/4つの方法をプロが解説」にて紹介しておくので、ぜひあなたの整体院選びの参考にして下さいね。
3.股関節痛の治し方まとめ
ここで紹介してきたのは股関節痛の多くを占める「疲労や歪みからくる股関節痛」に対しての治し方です。しかし中には疾患からくる股関節痛もあるので、心配な人は安易に自己判断せずに一度病院で検査を受けて下さいね。
またスポーツにおいての股関節痛の場合は「カラダの歪み」による「フォームの乱れ」も関係している事が多いので、その「治し方」はよけいに難しい部分があります。あまりこじらせる前に「歪み・筋力差・身体の使い方」など総合的にカラダを変えていけるプロを探して頼ってみて下さいね。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。