顎関節症 マッサージ
なかなか治らない顎関節症ですが、その中でも「筋肉に問題」がある場合はマッサージによって良い効果を得られます。
ここでは「顎関節症へのマッサージ効果」から「おすすめのマッサージ方法」まで解説してあるので、しっかりと顎関節症に効くマッサージを体感できるはずですよ。
1.マッサージが効く顎関節症とは
1-1.顎関節症5つの分類
- 筋肉の障害
- 関節を包む袋・靭帯の障害
- 関節円板(クッション)の障害
- 骨の変形障害
- 心因性の障害
顎関節症は大きく分けて上記の5つに分類されています。もし症状が気になる人は「顎関節症チェック/初期症状など4つのレベル」をどうぞ。
これらは単独で起こっている場合もあれば、いくつか重なって起こる場合もありますが、これら全ての問題に対してマッサージが有効な訳ではありません。
「骨や軟骨が変形」してしまったものや、関節内のクッション(関節円板)がズレたものに対しては、マッサージではどうしようもないのは当然ですよね‥。
しかしそれ以外に対しては、マッサージで顎周辺の血流が良くなることで痛んだ組織の修復が促進されるなどの効果を期待できます。
特に「筋肉の障害」による顎関節症へは、マッサージが直接的な効果を発揮する場合もあるので説明していきますね。
1-2.マッサージすべき「筋肉による顎関節症」とは
そもそもマッサージが効果的な「筋肉の障害」による顎関節症とはどんなものでしょうか。
例えば「いつも同じ側で物を噛むクセ」がある人はそちら側の筋肉ばかりに負担が掛かりますし、また筋力の左右差が生じて歪みに繋がってしまうでしょう。
例えば「受話器をアゴと肩に挟んでの営業電話」や「バイオリン奏者」などは片方の首・肩の筋肉が緊張します。「首・肩」と「顎・顔」の筋肉は繋がっているので、その緊張が伝染して顎関節にも悪影響を及ぼすでしょう。
他にも色々な原因(クセや生活習慣など)によって筋肉が緊張しますが、その緊張が強くなったり左右差が大きくなると「顎関節の連結」が上手く嚙み合わない状況になります。
それでは顎関節が「本来の軌道」を通って動けないので、そんな状態で「口の開け閉め」や「噛む動作」を毎日何百回・何千回と繰り返せば組織にも筋肉にも負担が掛かるのは目に見えていますよね‥。
こうした筋肉の問題からの顎関節症の場合にはマッサージが効果を発揮してくれるでしょう。
1-3.顎関節症へのマッサージ効果
その顎関節症がまだ「筋肉の問題」のみだった場合には、マッサージによって原因の筋肉を緩めることで「痛み・音・開きにくい」などの不具合が解消されるでしょう。
もし筋肉の問題だけでなく「靭帯・関節を包む袋などが損傷」していた場合でもマッサージによってその周囲の血流が良くなると、組織を治すための栄養が沢山運ばれるので修復が促進されるでしょう。
また「歯ぎしり」によって顎関節症を悪化させていた人も、マッサージによってその周囲の緊張がほぐれるとリラックスして良い効果が得られるかもしれません。
このように顎関節症に対してマッサージがもたらす効果は少なくありません。
とはいえ全ての顎関節症にマッサージが効く訳ではなく「顔・顎の歪み」によるものは歪みを矯正したほうが良い効果をもたらすでしょう。「顎関節症と顔の歪み/2つの治し方から見分け方まで」
2.顎関節症へのセルフマッサージの意味
顎関節に異変を感じたらまずは医療機関へと言いましたが、歯科や病院でマッサージを行ってくれる所はほとんどありませんよね。
そして医療機関の検査や治療で治ればそれが一番ですが、それだけでは治らないことも多いのが実情です。
そんな時には整体院で「歪み」も整えてもらいながら「筋肉」も調整してもらうのが一番のおすすめですので、それも最後に紹介しますね。
とはいえその整体によって技術の差は大きく、住まいの近くで上手な先生を見つけるのは簡単ではありません。
そこでセルフでマッサージすることで上記の効果を得られればそれが一番簡単ですよね。
つまりセルフマッサージは自分でできる一番の顎関節症対策といっても過言ではないのです。ただしまずは医療機関を受診し、そこでセルフマッサージは適応かどうかの確認もしておきましょうね
3.顎関節症へのマッサージ方法
3-1.顎関節部のマッサージ
- 「耳の穴の前」ここがおよその顎関節です
- ここに中指が来るようにし、指を4本そろえて当てる
- そのまま4本指の腹で「大きく円を描く」ように回す
あくまでもゴリゴリマッサージではなく、少し押さえながら「皮膚を大きく回す」くらいの感覚で行って下さい。
回数は30回ほどで充分ですが、決まりはないので自分が気持ち良い程度で良いでしょう。
3-2.噛む筋肉のマッサージ
- こめかみから少し耳寄りの部分を左右の手の平で挟むように当てる
- 少し押さえながら先ほどと同じ要領で「大きく円を描く」
これも4本指で行っても問題ありませんが、手の平で左右から挟んだほうが大きくゆったりとしたマッサージができるでしょう。
場所は細かく気にしなくても少しずつ移動するか、または大きく円を描くことで広い範囲がマッサージされるので大丈夫ですよ。
3-3.顔のマッサージ
- ほお骨のすぐ下に中指がくるように4本指を当てる
- そのまま軽く押さえて大きく回す
これも少しずつずらして大きく円を描けば広い範囲がマッサージされます。
ほほからも顎に向かって噛む筋肉が走っていますし、顔の筋肉と顎関節の筋肉は繋がっているので、かおのマッサージも顎関節症に効果的です。
3-4.首のマッサージ
首といっても、よくマッサージをする後ろ側ではなく「首の横側のマッサージ」です。
- 耳のすぐ後ろの「出っ張った骨」を確認
- その骨の下(エラの後ろ側)に指を3本当てる
- 同じ要領で押さえて大きく回す
これも場所をずらしながら大きく円を描きましょう。顎関節と繋がっている首をマッサージすることも顎関節症に効果的です。
4.マッサージだけでなく「顎関節症の根本改善」
4-1.歯科・病院
やはり身体に異変を感じた場合はまず医療機関を受診するほうが安心ですね。
顎関節症においても筋肉以外の問題が原因の事も沢山あり、また顎関節症ではなく他の疾患によってアゴに異常を来たす事もあります。
また噛み合わせの悪さが原因の場合もあるでしょう。
自己判断でマッサージで良くなると決めつけずにきちんと検査・治療をしてもらいましょう。
4-2.整体
残念ながら医療機関で治療してもセルフマッサージをしても良くならないこともあるでしょう。その場合はしっかりとした整体院で「歪み」を整えてもらうと驚くほど改善する顎関節症もありますよ。
ただし整体院によって技術差が激しいので「顎関節症に整体/その効果や7つの選び方」を整体選びの参考にしてみて下さいね。また「顎関節症の簡単な治し方3つと根本改善2つ」には他の改善方法もご紹介してあります。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するではではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。