自律神経失調症 原因
最近なんとなく体調や気分がすぐれない日が続き、自分で調べたら自律神経失調症に当てはまった人。まためまいや動悸などで病院に掛かってもどこにも問題はなくて「自律神経失調症ですね」と言われた人。中には自律神経失調症と言われたまま何年も原因不明の体調不良に苦しんでいる人も少なくありません。
しかし自律神経失調症はきちんとした対応をすれば良くなっていくものであり、その第一歩はまず「原因を知ること」です。
なぜ自分の体調がおかしくなったのかを知ればそれを改める事で症状は改善されていくはずですよね。あなたもこのままではマズイと思い、何か自分でできる事はないかと模索中なのではないでしょうか?
ここでは「自律神経失調症とは」から「その原因」まで解説し、そして自律神経失調症を治療する方法までご紹介。ぜひあなたの体調改善の参考にしてみて下さいね。
1.原因のまえに「自律神経失調症」とは
1-1.そもそも自律神経って何?
「自律神経」とは私たちの意志に左右されずに自動的にカラダの機能をコントロールしている神経のことです。食べたものを「勝手」に消化吸収したり「勝手」に心臓を動かしたりしていますが、この「勝手に」というところが肝心なんです。
私たちは自分の意識によって跳んだり走ったりはできますが、意識してみても「血液を流そう」「内臓を動かそう」とはできませんよね。この『意識してもできない身体の働き』を担う自律神経は生きていくうえで非常に重要な働きなんです。
この自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という2つに分けられ、正反対の役割を持つこの2つがバランス良く作用することで身体を健康に保っています。
1-1(1)交感神経
この交感神経が強く働いている時は一言でいうと「スイッチON」の状態です。主に働くのは昼間の活動・緊張時・ストレスを感じる時などです。
心拍数が増え、血圧が高まり、筋肉は硬くなります。
これだけ聞いてもカラダは緊張状態という事が分かりますよね。そしてそのぶん内臓の働きや疲労回復にはエネルギーが回りません。
つまり「活動するための機能が優先」で「修復や回復は後回し」の時間になります。
1-1(2)副交感神経
こちらの副交感神経が強く働いている時は反対に「スイッチOFF」の状態です。主に働くのは夜であり、睡眠中・食事中・お風呂に浸かっている時などのゆったりしている時に働きます。
先ほどとは反対に心拍数は落ち着き、血管も拡がり、筋肉も緩みます。
そしてそのぶん内臓の働きは活発になり、消化吸収や老廃物排出・疲労回復・損傷の治癒などが促進されます。
つまり神経を「リラックスモード」にする事で、身体も気持ちも「回復させる」時間を作るのですね。
1-2.自律神経失調症とは
この「交感神経」と「副交感神経」というのは、0%から100%に完全に切り替わる訳ではありません。
例えば仕事中は「80対20」で交感神経優位だったり、リラックスした食事中は「30対70」で副交感神経優位という風に一日の間にバランスを取りながら健康状態を維持しているのです。
しかし次に説明する原因によってこのバランスが崩れると「疲れているはずなのに眠れない‥」「集中したいのにやる気が出ない‥」というふうに身体のリズムが狂ってきます。そしてリズムが狂ったままでいるとスイッチの切り替えだけでなく自律神経(交感・副交感)の機能自体が減弱します。
すると自律神経によってコントロールされていた身体の機能が狂い始め、「常にお腹の調子が悪い」「めまい・頭痛がする」「頻繁に動悸を感じる」など様々な不調が現れます。
つまり「自律神経失調症」とは字のごとく、自律神経のバランスが崩れたり自律神経自体が弱ることによって身体にも心にも様々な不調をきたしてしまう状態をいいます。どんな症状があるかは「こんな不調まで?自律神経失調症の11症状」をどうぞ。
2.自律神経失調症4つの原因
自律神経失調症を引き起こす原因とはつまり「自律神経を乱れさせる要因」という事ですが、大きく分けて「生活リズムの乱れ」「ストレス」「ホルモンバランス」「性格」の4つです。
そしてこの中でも重要なのが「ストレス・生活リズムの乱れ」ですが実は改善しやすいのもこの2つなので、まずはそれぞれ順に説明していきますね。
2-1.生活リズムの乱れ
多くの人は「昼に働き夜に眠る生活」だと思います。そして働いている時は「活動モード」である交感神経が優位になり、眠る時は「休息モード」である副交感神経が優位になります。
とは言えこれは突然切り替わるわけではありません。
昼間に活動モードのピークを向かえるために、朝起きてからの行動によって交感神経が優位になります。また夜しっかり眠るために夕方くらいから少しずつ心身が落ち着いてゆき、睡眠中のピークに向かってだんだん副交感神経が優位になっていきます。
ところが夜遅くまで起きている日があったり、朝いつまでも寝ている日があるとこのリズムが狂っていきます。
また寝る直前までテレビやスマホを見ていると情報処理によって脳は興奮しますし、光による刺激でも脳は覚醒してしまいます。さらにはコーヒーや紅茶をよく飲む人は「カフェイン」によっても興奮します。
先ほどの解説では「興奮・緊張・覚醒」は「交感神経を優位」にすると言いましたよね。
そして一度交感神経が優位になると急にはリラックスできません。これでは質の良い睡眠が取れないので身体も回復しません。
このように交感神経が優位になっている状態が続くと「身体はエネルギーを使うばかり」になり、うまく休息・回復できずにいるため自律神経失調症の原因になってしまうのです。
2-2.性格
- 几帳面、完璧主義、神経質など「まじめ」といわれる人
- 人からの評価が気になり過ぎる人
- 気持ちの切り替えが下手で、いつまでもクヨクヨ悩んでしまう人
- 心が繊細で、傷付きやすい人
- 空腹や疲れを抑えてまでもカラダを酷使する、頑張り過ぎる人
- 頼まれるとノーとは言えない、断れない人
他にも性格は人それぞれ細かく違いますが、少なくてもこのどれかに当てはまる人は「ストレス」を溜めやすく自律神経失調症になりやすいタイプと言えます。
ただしこの性格を変えようとするのはとても大変なことですよね‥。
自分で心当たりがある人は性格を変えようと頑張るよりも「受けるストレスを減らす」ことや「自律神経を整えてストレスに強い身体にする」ことを考えるほうが改善への近道になるでしょう。
2-3.ホルモンバランス
自律神経失調症は女性のほうが多いと言われていますが、その原因の一つがこのホルモンバランスです。
男性は思春期に性ホルモンが分泌され始めてから高齢になっても比較的安定しているのに対し、女性は「毎月の月経」「妊娠・出産」「更年期・閉経」と一生を通じてホルモンバランスが変化し続けます。
ホルモンとは身体の機能をコントロールするために分泌されるものです。つまり自律神経と似たような働きをしていて、両者には深い繋がりがあり、ホルモンバランスが不安定になると自律神経も乱れやすいのです。
しかしこのホルモンバランスをコントロールするのは難しいので、逆に自律神経を整える事でホルモンバランスまで安定させ、相乗効果で健康になると考えたほうが良いでしょう。
2-4.ストレス
(1)ストレスが自律神経に与える影響
自律神経失調症の原因の中でも最重要とも言えるのがこのストレスです。もちろん性格・体質・生活リズムなどによって「ストレスの受けやすさ」は変わりますが、問題はストレスが掛かり過ぎている事です。
ではどうしてストレスが自律神経を乱れさせるのでしょうか。
「興奮や緊張」は「交感神経を優位にさせる」と言いましたが、ストレスを感じている時はまさに興奮・緊張状態になります。つまり「ストレス=交感神経」といっても過言ではないのです。
また要注意なのが、ストレスと思っていなくても実は身体はストレスを感じている時があるので以下に説明していきますね。
(2)隠れストレスに要注意
例えばスマホを触っている時、あなたはゲームやSNSで楽しんでいるつもりですが実はこれもストレス環境です。なぜなら猫背で下を向いた状態が続くと筋肉が緊張するので身体はずっと負担を感じています。さらに光刺激や情報処理で脳が疲れるのです。
もちろん仕事・人間関係・育児なども大きなストレスの原因ですが、それに加えてあなた自身の行動によっても身体はストレスを受けるという事を理解して下さいね。
(3)カラダの歪みは自律神経失調症の原因
また一番長い時間にわたって心身にストレスを掛け続けるものが「姿勢不良」や「カラダの歪み」からくる「しんどさ」です。
「姿勢不良」や「カラダの歪み」があるというのは骨格が本来の位置からズレてしまうので「崩れそうな積み木・傾いた積み木」と同じです。
という事は身体を支えるために必要以上に筋肉を緊張させなければなりませんよね。つまり身体のどこかに常に力が入っているので、筋肉が硬くなり、血流も悪くなり、常にストレスがあるという事。自律神経失調症の人に肩こり・頭痛・めまいが多い理由の一つがこれなんです。
さらに恐いのは、寝ている時も「歪み・筋緊張・血行不良」は持続するところです。すると「眠りが浅い・力が抜けない」などと交感神経を刺激するので、寝ても疲れが取れないまま朝を向かえる事になります‥。
これが毎日続くと考えると、恐ろしいほどのストレス環境だとは思いませんか?
3.原因をそのままにしておくとどうなるの?
ここまでに挙げた原因(ストレスや生活の乱れ)をそのままにしておくと自律神経失調症がひどくなるのは目に見えています。「しばらく経てば良くなるかと思った‥」という声をよく耳にしますが中々そうはいきません。仮にたまたま楽になったとしても原因が改善されていなければまた必ず症状が現れてきます。
はじめは「イライラする」「眠りが浅い」「呼吸が浅い」など何となく不調を感じる程度だったものが、我慢を続けるうちに段々こじれてきます。すると「めまい」「耳鳴り」「しびれ」「動悸」などのハッキリとした身体的不調が現れ、さらには「うつ」などの精神的症状に繋がるおそれもあるので決して甘く見ないで下さいね。
4.自律神経失調症を治すには
まずは自分でできる改善方法として「自律神経を整える/体質改善のための12の方法」を参考にし、生活リズムや自律神経を整えるみましょう。はじめから全てを改めようと頑張り過ぎるとまたストレスが掛かるので、まずはできそうなものから始めていって下さいね。
ただし「歪みによる身体的ストレス」が強い人はそれだけでは改善されない事もあります。それでも絶対に諦めたり我慢したままにせず信頼できる整体を見つけ、しっかりと「歪み」を改善してもらってください。自律神経失調症の多くは原因を取り除けば快方に向かうものです。
とはいえ電気治療やバキボキ矯正などでは決して問題は解決できません。街にも治療院や整体があふれている時代ですがホームページで施術や理念をある程度確認できるはずなので、ケガや痛みだけでなく「自律神経」にも精通した整体院を見つけてくださいね。
あなたが不調を改善し、毎日を笑顔で過ごせる事を心から願っています。
※当記事は整体院による私見ですので、情報活用はあくまでも自己責任にてお願い致します。また不調を感じた時にはまず医療機関を受診したほうが安心ですよ。