ストレートネック ストレッチ
かなりつらい症状を引き起こすストレートネック(詳しくは「ストレートネックによる症状3つの分類/頭痛から顎関節症まで」)ですが、その原因の一つである「筋肉と関節」の硬さを直接緩められるのが「ストレッチ」。
ところが「自己流でストレッチしてるけど効果がないなぁ」という人はそのストレッチが「ストレートネック改善には適していない」のかもしれません。
この記事では「的確に効くストレッチ」から「ストレッチの注意点」まで解説し、最後にはストレッチ以外のストレートネック改善法までご紹介。これであなたの悩みも解消されるはずです。
自分がどれほどのストレートネックなのか心配な人は「セルフチェック3つの方法/ストレートネックの危険度」をご確認下さい。
1.効果的なストレッチの為に知る「ストレートネックの原因」
1-1.姿勢
ごく一部を除いてほとんどのストレートネックに共通するのが「姿勢の悪さ」です。
デスクワークなど仕事中に前屈み姿勢の多い人はもちろんですが、近年はスマホの普及によりオフの時間まで「うつむき姿勢」でいる人が増えました。その結果「顔が前に出ている状態」が続くので首が本来持っている湾曲が失われてストレートネックになってしまうのです。
この「姿勢」の問題はストレッチによって改善できる原因の一つですが、その前に「姿勢とストレートネックの関係性」について詳しく知りたい人は「首猫背とは/その原因と4つの治し方」をどうぞ。
1-2.関節と筋肉の硬さ
ほとんどのストレートネックに当てはまる「顔が前に出ている状態」ですが、そのままこれを本来の位置に戻そうとしても苦しくて戻らないはずです。
なぜなら「首」をはじめ「胸」や「お腹」の筋肉が硬く縮んでいるから。これら「身体の前側」の筋肉が縮んで顔を前に引っ張っている事がストレートネックの原因の一つです。
また常に同じ姿勢(顔が前に出ている)でいると関節も固まるので、頸椎(首の骨)1つ1つの間の関節も固まって余計にストレートネックから抜け出せません。もちろん首を支える背骨全体や肩甲骨・肋骨までもが「猫背」のように丸く固まっている事でしょう。
この「筋肉・関節の硬さ」は誰でも思いつくほど簡単な原因ですが、それゆえにストレートネックへの影響も大きいのです。しかしこれらはストレッチによって改善できるので、後述のストレッチ方法を参考にしてみて下さい。
1-3.他にも「歪み」など
他にも「身体の歪み」があると骨格が本来の位置に保てなくなります。すると姿勢は崩れるので、その結果顔が前に出てしまってストレートネックへと繋がります。また「呼吸が浅い」こともストレートネックの原因になり得ます。
「歪み」に関してはストレッチではなかなかアプローチしづらい問題ですが、本気でストレートネック改善を考えている人は「ストレートネック5つの原因/姿勢だけではなかった!」をどうぞ。
またストレートネックが引き起こす症状は多岐に渡るので、沢山の不調を抱えながら生活している人は一度「ストレートネックによる3つの症状/頭痛から顎関節症まで」をどうぞ。
2.ストレッチの注意点
効果的なストレッチのための注意点は「呼吸を止めない」という事です。
よくストレッチは「息を止めたままグ~っと伸ばす」ものだと勘違いし、痛いくらいに筋肉を伸ばす人がいます。しかしそれではいつも緊張して硬くなっている筋肉をさらに緊張させる行為です。
そうやって緊張させたまま無理やり伸ばされた筋肉は緩みにくく、かえって硬く縮む事もあり得るのです。
ストレッチを行う際は必ず「ゆったりとした呼吸」を心掛けて下さいね。
3.ストレートネック改善ストレッチ
3-1.椅子で行う簡単ストレッチ
- まず骨盤を立てて座る(分からない人は姿勢良く)
- 背中(背もたれ)の後ろで両手を組む
- 顔は上を向きながら上体を反らしながら、組んだ手は後ろ(上)に持ち上げる
- そのまま2~3呼吸保持してから緩める
たったこれだけですが、「首の前」「胸」「お腹」がストレッチされ「身体の前側」を連動して伸ばす事ができます。これを5回ほど行えば良いでしょう。回数や秒数は自分が気持ち良いくらいで調整して構いません。
気を付けるのは「呼吸を止めない事」。反らして腕を上げる時に「吸い」、緩める時は「吐く」という風に意識すると良いですね。慣れたらこの呼吸は逆にしても問題ありません。
そしてこのストレッチは立った状態でもできるので、どんな仕事のスタイルでも小まめに行うことが大事です。ただしこれはストレッチ時に「力が入る」ので、更に効果的な「脱力」して行うものを後述します。
3-2.背骨を緩めるストレッチ
- スタート姿勢は仰向け
- そのまま背中(みぞおちの裏辺り)に「バスタオル」を丸めて棒状にしたもの置く(縦ではなく横向きに)。
- 両手を合わせて肘を伸ばし、伸ばしたまま頭上方向に挙げていく(手がカラダから遠くを通るような軌道で)
- これをゆっくり息を吸いながら挙げられる所まで挙げる
- ゆっくり吐きながらスタートポジションに戻る
このストレッチを繰り返すと丸くなって固まった背骨が伸びるので、それに合わせて「脇・お腹・胸」などの筋肉が伸ばされてストレートネックに効果的です。
回数はあまり気にせず気持ち良い程度でOKです(数えたい人は10~20回程度)。また必ず「ゆったりとした呼吸」に合わせて行うようにし、けっして無理に上げるのではなく腕の重みで上がる所までにしてくださいね。
また特に背中が丸く固まっている人は手が頭上まで上がらないかもしれません。そんな人はタオルの高さを低くしたり、置く位置を少しお腹側に下げると腕が上がりやすくなります。あくまでも無理せずゆったりできる範囲で行って少しずつ慣らしていってください。
3-3.胸筋&体幹回旋ストレッチ
- スタート姿勢は横向きに寝た状態(要まくら)。上側の足を前に出し(股関節90度・膝90度)、両腕は前に伸ばす。
- そのまま胸・肩を開くように、上側の手をカラダの後方に持っていく
- この時のイメージは、自分の胴体が軸で、腕は伸ばしたままカラダから遠くを通る軌道で後方へ
- 視線は動く手の平を見て、顔がその動きに着いていくように
先ほどのストレッチでは身体を「縦方向」に開きましたが、今度は「横方向」に捻るように開いていきます。これも必ず「ゆったりとした呼吸」に合わせて行いましょう。
この寝て行う2つのストレッチは、ストレートネックの大きな原因である「姿勢矯正」に有効なのでおすすめです。
よくありがちな「○○筋に効かせる」というような部位を絞ったストレッチでは「ストレートネック改善」には不向きです。
しかし上記3つのストレッチならば「背骨・胸郭・肩甲骨」など「丸く固まっていた骨格」を動かす事で「固まっていた関節」も動き、それに伴って「縮んでいた筋肉」も緩みます。
3-4.ストレッチポール
これはただポールの上に仰向けになって数分間寝ているだけですが、それだけで固まっていた骨格や関節に加え筋肉も緩むのでストレートネック改善にも効果的です。また応用で色々な使い方があるので興味がある人は調べてみてください。正規品を買うと一万円近くしますが、安い類似品でも大差はありませんよ。
無理して買う必要はありませんが、もしジムに通っている人はそこにあるストレッチポールを試してみると良いかもしれませんね。
3-5.ストレッチまとめ
やはり仕事中や家事の最中など「同じ姿勢が長時間続くとき」は姿勢が悪くなり顔が前に出ているので、小まめにストレッチをする様にして下さい。大げさにできないならば「イスにもたれて胸を開いて深呼吸」だけでも構いません。
とにかく意識するのは「前側を緩める・開く」という事です。立っている時ならば「壁に片手を着いて、反対方向にカラダを捻じるだけでも良いでしょう。
このように場所や体勢を問わず、自分でできる気持ち良いやり方で前側を開くストレッチに取り組むことがストレートネック改善に繋がります。そして家に帰ってお風呂に浸かった後は上記の「寝転んで行うストレッチ」をしっかりとです。
4.ストレッチ以外のストレートネック改善法
上記のストレッチによってストレートネック改善はもちろん、その土台である姿勢改善に有効なのは間違いありません。
しかし「根深いストレートネック」はそれだけで治ってしまうほど簡単ではないので、他の記事で紹介してあるストレートネック改善法と並行する事でより効果的になります。
「バスタオル枕で簡単!ストレートネック矯正4つのポイント」
「ストレートネック解消マッサージ/簡単にできる3つの方法」
そしてやはり一番の近道は自分に合った整体を見つける事です。なぜなら自分では分からない「身体の状態」を判断し、その「歪み」を矯正したり「あなたの身体に応じたケア方法」など最善の方法を示してもらえるからです。
とはいえ実際に改善できる技術を持った整体は多くないのが現状‥。「ストレートネックは整体で治る!改善できる整体5つの選び方」を確認して信頼できるプロを見つけて下さいね。また手術までお考えの人は「ストレートネックの手術/適用になる4つの場合とは」をどうぞ。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。