アキレス腱断裂の予防
ひとたび断裂すると治るまでに3カ月~半年以上も掛かってしまうアキレス腱。
ここではアキレス腱断裂に至る前に予防する方法を7つに分けて紹介し、さらに予防効果をアップするためにアキレス腱断裂の原因まで勉強できるようになっています。またもしすでに断裂してしまった人がいたら、この予防方法はそのままリハビリにも生かせるものが多いので参考にして下さいね。
1.予防の為に「アキレス腱断裂の原因」を知ろう
1-1.一番の原因は「細胞の老化」
アキレス腱断裂といえばハードにスポーツをしている若者やプロ選手に起こりがちなイメージかもしれませんが、実は一番多いのは「中高年」なんです。
その理由は「アキレス腱の変性」つまり細胞の老化によって組織が硬く脆くなってしまうからです。そんなアキレス腱が老化した状態で走ったり跳んだりすると、瞬間的に伸ばされる力に耐えられないので断裂してしまうのです。
しかし中年以降でも走ったり跳んだりとスポーツを楽しんでも何ともない人もいますよね。その差は何なのでしょうか?その理由を知る事で予防に繋がるとは思いませんか?
1-2.若くても断裂するのは‥
若い人はアキレス腱がピチピチ元気なはずなのに、それでも断裂する人もいます。その理由は先ほどの「中高年でも断裂する・しないの差」に通じる部分があるのです。
それは負担が掛かりやすい「体の使い方」になっているからであり、予防の秘訣もここにあります。
アキレス腱に負担が掛かる原因は「アキレス腱の痛み/4つの原因をプロが解説」に詳しく記してあるので、ここでは簡単に説明しますね。
ひとことで言うと「カラダが歪んでいる」からなんです。本来人間は長い時間を掛けて進化をしてきた結果、立って動くのに効率的なカラダになりました。走ったり跳んだりしても負担の少ない体と動きを手にいれたとう事です。
ところが「普段の癖・生活習慣・競技特性」などによって骨格・筋肉・姿勢・重心などに問題が生じるとその効率的な動きは影をひそめ、どこかに「ひずみ」が生じます。
建物でも寸分狂わず設計・施工をしなければ、たとえ小さな綻びからでも必ずどこかに「傾き・ひび割れ・立て付けの悪さ」などが生じますよね。人間はここに動きも加わるので更に複雑です。
こうして自分自身で作り出した「カラダの歪み」が大きくアキレス腱に負担を掛けることになるのです。
2.アキレス腱断裂「予防方法」
ではここからはどうしたら「年を重ねて脆くなったアキレス腱」や「ハードに切り返し動作を行うスポーツ選手」でもアキレス腱を断裂しないか。その予防方法をご紹介していきますね。
2-1.フィットした靴
競技の時に履くシューズはもちろんですが、予防という意味では普段履いている靴にも気を付けて下さい。普段の靴が合っていないとふくらはぎの筋肉が硬くなり、アキレス腱への負担が増大します。
いずれにしてもシューズとカカトの間にすき間(遊び)があるとアキレス腱へ負担が増えるので、カカトをピタッと包んでくれるような靴が望ましいでしょう。
また靴底がグニャグニャ曲がる靴よりも、つま先以外は固く曲がりにくい靴底の方がアキレス腱への負担が減り、断裂予防になるでしょう。
また靴底の減り具合もチェックして下さい。もし外側か内側の一方だけが大きく減っている場合はバランスが悪く、アキレス腱にも負担が掛かっている傾向があるので、自分に合った中敷き(インソール)を作ったほうが良いかもしれませんね。
こうして靴を工夫する事もアキレス腱断裂の予防に繋がります。
2-2.マッサージ
ふくらはぎが硬く縮んでいるとアキレス腱を引っ張ってしまって負担を掛けます。という事は「ふくらはぎを柔らかく保つ」ことがアキレス腱の断裂予防になるという訳です。
とはいえゴリゴリと押したり揉んだりといった強い刺激では筋肉を微細損傷するおそれがあるのでお勧めできません。
血液やリンパを流すような優しいマッサージをコツコツ行うとふくらはぎが柔らかくなり、断裂予防になります。
次にアキレス腱とふくらはぎの「境目」を緩めます。筋肉の盛り上がりの下端部辺りですね。親指(手の平でもOK)で軽く押さえたままグルングルンと数十秒回して下さい。
また足首を両手で握り、そのままつま先をグルグル回すとアキレス腱の周囲が全体に緩みます。
これらを毎日少しずつ行ってふくらはぎを柔らかく保ち、予防に努めましょう。
2-3.ストレッチ
このストレッチもアキレス腱自体を伸ばすイメージよりも「ふくらはぎなど他の部分を緩める事がアキレス腱の負担を減らす」と考えて下さい。
その方が循環が良くなるので、疲労回復も良くなり老化も遅らせられます。こうして断裂予防へと繋がるストレッチですが、おすすめの方法は「アキレス腱ストレッチ/効果的な4つの方法」をどうぞ。
2-4.テーピング
伸縮するテーピングを適切に貼ると筋肉の働きを助け、血流促進効果で回復も助けるのでアキレス腱断裂予防にもなります。
ただし足首を固定するようなテーピングでは、続けると逆効果になるおそれもあるので「アキレス腱炎にテーピング/簡単で効果的なたった1つの方法」にて確認してみて下さいね。
2-5.サポーター
血流促進効果のあるサポーターもあるので上手く付き合えば予防になる可能性もあります。しかし常用によって筋力低下を招くおそれもあるので、そうなっては断裂予防には逆効果ですよね‥。
詳しくは「アキレス腱炎サポーター/3つの効果と知っておくべきデメリット」を確認下さい。
2-6.自律神経を整える=回復力UP
中高年の場合は「老化を防ぐ」ことが、若者の場合は「疲労を溜めない」ことが断裂の予防に繋がりますよね。
これには自律神経も関係しています。なぜなら自律神経は「血液循環・内臓の働き・睡眠・体温」など、他にもカラダの機能のコントロールを一手に担っているからです。
つまり消化吸収から、それを細胞に届ける、不要な老廃物を流すという「身体の修復作業」も司っているという訳ですね。
という事は「偏食・生活リズムの乱れ・姿勢不良・運動不足」などで自律神経が乱れやすい現代の生活では「疲労回復にも悪い・老化も早い」という悪循環です。
「自律神経を整える/体質改善のための12の方法」をご覧になり、簡単に出来そうなものから取り組む事がアキレス腱断裂の予防にも繋がります。
2-7.整体
自分でできる事をコツコツ続けるのはもちろん効果的ですが、面倒くさい・難しい・時間が無いなどの理由で続けられない人もいますよね。そんな人は体のプロである整体院に頼ってしまうのがおすすめです。
とはいえ整体も溢れている時代なので、どこに行けば良いのか分からないという人もいるでしょう。また「マッサージ」「バキッと矯正」などの短絡的な整体では予防には程遠いでしょう。
そこで当整体が実際にどのようにして多くのアキレス腱の負担を改善してきたかを「アキレス腱炎に整体が効く理由/4つのアプローチ」にご紹介しておきます。あなたが整体院を選ぶ時の参考にし、アキレス腱断裂を予防しながらスポーツを楽しんでくださいね。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。