一汁三菜の意味と基本
日本の伝統的な献立形式として根付いてきた「一汁三菜」。家庭科の授業で聞いたことがあったり、祖母や母が作るおかずはこうだったと思い出す人も多いのではないでしょうか。
ではどうしてこの「一汁三菜」が素晴らしいと言われているのか、その「意味」を知り「4つの基本」を押さえるだけで健康的な食事になる方法をこの記事では解説していきますね。
1.栄養バランスの基本は「一汁三菜」
ストレス社会に負けない『健康な体』を保つには色んな栄養素をバランス良く摂る必要がありますが、面倒くさいから「ご飯+おかず一品だけ」という人もけっこういますよね。
中には「おにぎりとカップラーメンで済ます事もザラだよ」なんてツワモノも当整体に来られますが、そういう人達は同じような症状の人に比べて、治りが遅いことが多々あります。
当然ですが食事には意味があり、身体を作る材料を外から摂り入れているのです。ところが偏り過ぎた食事では「身体を作る材料が全く足りていない」ので、修復工事がはかどるはずがありません‥。
そこで栄養について皆さんに考えてもらおうと思い立った次第です。
私自身三年前に60キロものダイエットをし、三年経った今も努力せずに継続できているその秘訣を紹介していきます。もちろん今も人一倍食べていますが、健康も体重もキープし常に快腸快便でいられるその秘訣は「食の基本」である一汁三菜の意味を知る事にありました。
2.一汁三菜の意味
まさに字のごとく、ご飯とは別に味噌汁などの「汁物を一品」と「おかず三品」という意味です。
とはいえおかず三品が「肉炒め・焼き魚・冷奴」というふうでは「ほぼタンパク質しか採れていない」ので一汁三菜の持つ本来の意味を損ねています‥。
そこで一汁三菜という言葉が持つ意味を「4つの基本」に分けて紹介します。
3.一汁三菜4つの基本
3-1.主菜
一番ボリュームがあり、メインディッシュという意味の主菜。ここでは身体を構成する基本となっているタンパク質を取り入れるように意識しましょう。ただし動物性のタンパク質には「肉・魚・卵」などがあり、植物性のタンパク質には豆腐や納豆などの「豆類」があるのでバランス良く食べて下さいね。
第一に体を作る材料ですし、それにやはり「お肉は心の栄養ですよね~」という人もいるので、けっこうガッツリいっちゃっても大丈夫です。ただし3食全てで肉ガッツリでは弊害も生まれるので、あくまでも全体でバランスを取ることが大事です。
3-2.副菜
とはいっても世の中そんなに甘くはありません。肉などを食べたら「野菜もたっぷり摂りましょう」という意味で副菜があると思って下さい。
という訳で一汁三菜の副菜は「野菜をメイン」に使った料理を作ってください。
野菜にはビタミンやミネラルが多く含まれるので、身体の機能を働かせるには必要不可欠ですが、この野菜が足りていない人が本当に多くいますよね‥。
野菜を何種類か使い、できれば主菜とは違う調理方法(炒め物や煮物など何でも構いません)で、色んな種類のビタミン・ミネラルを摂るように意識しましょう。
3-3.副菜その2
一汁三菜の副菜二品目にはお浸し・和え物・酢の物・漬け物などの『さっぱりした料理』にすると良いでしょう。小鉢サイズでも十分なので、できるだけ主菜副菜にまだ使っていない食材にすると理想的です。
3-4.汁物
一汁三菜の「一汁」は、味噌汁やすまし汁などの『汁物』という意味です。和食に限らずにスープなどでも良いので、食事の時はご飯のとなりにあると食べやすいですよね。
ここにも具を入れる事で2~3種類の食材が増えますし、もし味噌汁ならば発酵食品も摂れて一石二鳥です。
4.一汁三菜を「美味しく健康的」に食べる工夫
一汁三菜の意味や基本は分かったと思いますが、さらに余裕がある人は調理方法や味付けも気に掛けてみてください。
けっこうやりがちなのが、何品も食べているけどどれも同じような調理方法と味付けだったというパターンです。例えば「味噌汁・魚の煮付け・根菜の煮物・青物のお浸し」という献立ならば栄養バランス良く作れているのですが、どれも煮る系の料理で味付けも醤油ベースになっていますよね。これでは飽きてしまって美味しく食べられませんし、同じような味では味覚がマヒして味が濃くなりがちです。
焼く・煮る・炒める・蒸す・揚げるなどを色々組み合わせてみてくださいね。
味付けも和風で薄味が一番健康的ではありますが、そればかりではなくておかずによって中華風や洋風を取り入れながら美味しく食べる工夫をしてみて下さい。
さらに日持ちのする野菜を使って『作り置き』を作っておくと、品数が稼げて手間も減りますよね。そして今は便利なレシピサイトで検索すると無数にレシピが出てきます。献立に頭を悩まさなくても良く、冷蔵庫の余り野菜を組み合わせて簡単にもう一品作れる時代になったので、工夫しながら無理なく一汁三菜を意識できると良いですね。
5.一汁三菜の基本の「医食同源」は整体に通じる
古来より「医食同源」という言葉があるように「食べる事」と「健康」は密接に繋がっています。
例えば痛みやしびれなどを感じても「湿布と鎮痛薬でごまかして経過観察し、ひどくなれば手術」これでは本来の健康には程遠いですよね。
それに気づいてこのままではダメだと思い、当整体に来られる人が沢山います。筋肉の異常・関節の異常・骨格の異常などを正常に戻すとほとんどの場合良くなりますが、これは私が治しているのではなく皆さんの体が正常に戻ることで、本来の回復力が戻ってきているからなんです。
しかしこの時にベースとなる身体の状態が栄養失調では良くなるものも良くなりません‥。それに今現在元気な人も、いつまでも続くと過信しないで下さい‥。
しっかりと栄養バランスの取れた食事をすることは痛みや不調の改善はもちろん、美容やダイエットにも繋がり、健やかな心と体の維持にも必要不可欠なものです。
まずは『一汁三菜』の意味や基本を意識することで健康への第一歩としてみて下さいね。
他にも健康的な食生活を送るための方法は「食事と健康の関係/美容や長生きにも繋がる7つのススメ」をどうぞ。
本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。