アキレス腱の痛み 対処法
アキレス腱の痛みはランニング系の競技はもちろん、剣道やバドミントンなど狭い範囲で瞬発的に動く競技や、日常生活だけで痛みが出る人もいるくらい身近なものです。
そして一度痛めると長い期間苦しむのも特徴の一つですよね。
この記事ではそんなアキレス腱の痛みに対処するために「その根本原因」を丸裸にした上で「5つの対処法」をご紹介。これを読めばアキレス腱の痛みに苦しむことのない毎日をきっと取り戻せるはずですよ。
1.対処すべきはこれ「アキレス腱痛の原因」
1-1.骨格のズレ
ヒトは長い時間を掛けて「立った状態で効率的に動ける」ように身体を進化させてきました。つまり骨格が本来の位置にあり正しく使えている時には、それほど負担が掛かからないのです。
ところが普段の癖や競技特性などによって骨格は歪みます。すると色んなところにその「ひずみ」が現れ、他の要因とも重なってアキレス腱の痛みへと繋がるのです。
例えば建物でも土台が少し歪んでいると「大きな傾き」や「立て付けの悪さ」となり、ドアや窓が開きにくくなります。これってどこかに凄く負担が掛かっているイメージがしますよね‥。
そして人間は体重を支えるだけでなく「動き」も必要なので建物よりもさらに複雑です。歪みを抱えたままではフォームや姿勢もわずかに崩れ、気付かぬうちに大きな負担がアキレス腱にも蓄積するので「骨格の歪み」は対処すべき原因の一つなのです。
1-2.筋肉の硬さ
「腱」とは「筋肉の端っこ」の部分であり、筋肉と骨を繋ぐ「連結部分」です。そのため筋肉は弾力があって伸び縮みするのに対して、腱は硬いゴムのように頑丈にできています。(もちろん腱自体にもわずかに弾力性があり、その張力が走ることにも役立っていますが、難しくなるのでここでは省略します)
つまりアキレス腱とは「ふくらはぎの筋肉」と「かかとの骨」をつなぐ連結部分なのです。
ここでイメージしてほしいのは「ふくらはぎの筋肉」が縮むとアキレス腱は引っ張られるという事。つまり対処すべきアキレス腱の痛みの原因に「ふくらはぎの硬さ」も挙げられるという事です。
常に引き伸ばされているゴム(腱)にはストレスが掛かります。そしてその負担が蓄積していくと「もう限界だよ」というメッセージ(痛み)が発せられます。
また血管の多くは筋肉の中を通るので、筋肉が硬くなると血行不良になり「老廃物や発痛物質の蓄積」「栄養が届かないので修復できない」という悪循環に陥るのです。このようにふくらはぎの硬さは真っ先に対処した方が良いと言えるでしょう。
1-3.姿勢(フォーム)の悪さ
ランニングはもちろん他の競技においてもフォームは大事な基本ですが、アキレス腱の痛みが出ている人はこのフォームの問題として「骨盤が後傾」している事が挙げられます。
と言っても分かりにくいので一度立って試していただきましょう。
まずは立った状態から股関節を後ろに引き込むように、少しお尻を後ろに突き出して下さい。自然と膝も軽く曲がるはずです。この状態で何度かジャンプしてみてアキレス腱に掛かる負担を感じましょう。※痛みの強い人は無理をしないで下さいね。
次は立った状態から腰を丸めて下さい(股をのぞき込むようにすると腰が丸まるはず)。そして腰を丸めたまま何度かジャンプしてみると、アキレス腱に先ほどよりも強い負担が掛かるのが分かるはず‥。(無理はしないで下さい)
アキレス腱を痛める人の多くはこの腰が丸まったフォームで競技を行ったり、腰が丸まった姿勢で日常を送っている事が考えられます。もちろん先ほど試したほど極端ではありませんが、わずかにでも負担が増えるので、それが蓄積すると痛みに繋がりますよね。
ここで少し試しただけでもフォームへの対処のヒントになったのではないでしょうか。
1-4.前のめり重心
もうひとつ対処すべき原因の一つが、フォーム(姿勢)とも関係のある「前のめり重心」です。アキレス腱の痛みを訴える人は顔の位置がわずかに前に出ているケースが多く見られます。
実は人間の頭は「約5キロ」とボーリングの球ほどの重さがあるんです。首にボーリングの球が乗っているとイメージすると、これが少し前にズレると重心が前のめりになってしまうのは想像できますよね。
これも試してみましょう。真っすぐに立った状態から顔を前に出してみて下さい(腰を後ろに引かないで)。するとつま先に体重が乗ってアキレス腱に負担が掛かるのが分かるはずです。これが対処すべきポイントです。
もちろん常にそこまで前のめりな訳ではないはずですが、他の原因とも合わさる事で重心が前のめりになるタイミングが多くなっているはずです。これが一歩一歩重なるとアキレス腱の痛みに繋がるのです。
2.アキレス腱の痛み「5つの対処法」
先に解説した原因のうちフォーム(姿勢)や重心は意識する事で対処できますよね。しかし筋肉や骨格の問題を取り除かなければまたすぐにフォームや重心は崩れてアキレス腱に痛みが出てしまいます。
そこで以下の対処法を実践して、少しずつそれらの問題を解消していきましょう。
2-1.マッサージ
マッサージと言ってもゴリゴリと強く押したり揉んだりするではありません。あまり強い刺激は筋肉の繊維を微細損傷する事もあり、逆効果の対処になる場合も‥。
基本は血液やリンパを流すように「優しくマッサージ」しましょう。これだけでもこつこつ続けていけばふくらはぎの疲れを和らげてくれます。
次にアキレス腱と筋肉の間を緩めます。つま先立ちするように足首を曲げるとふくらはぎの筋肉が盛り上がりますが、この盛り上がりの「境目」もアキレス腱痛のツボです。親指で軽く押さえたまま足首をグルングルン回すことを数十秒続けて下さい。
また足首を両手でギュッと握り、つま先をグルグル回してもアキレス腱周りが全体に緩むので良い対処になります。
2-2.ストレッチ
アキレス腱の痛みにストレッチで対処するのは、マッサージでふくらはぎを緩めた後のほうが良いかもしれません。なぜならふくらはぎが硬いままだとそれだけでアキレス腱は引っ張られ、さらにストレッチを加えると負担になる恐れがあるからです。
おすすめのストレッチ方法は「アキレス腱ストレッチ/効果的な4つの方法」をどうぞ。
2-3.テーピング
テーピングも筋肉の働きを助け、血流をUPして回復も助けてくれるので、アキレス腱の痛みへの対処になるでしょう。ただし固定するような巻き方を続けると逆効果になる恐れもあるので「アキレス腱炎にテーピング/簡単で効果的なたった1つの方法」にて確認してみて下さいね。
2-4.サポーター
サポーターも固定や筋肉の働きを助けることでアキレス腱をサポートしてくれるので、痛みへの対処という点では良いでしょう。しかし常用するのは痛みをごまかして「筋力低下」を招くおそれもあるので、大事な試合前などの「ここぞという時」にだけ頼るほうが良いでしょう。詳しくは「アキレス腱炎サポーター/3つの効果と知っておくべきデメリット」をどうぞ。
2-5.整体
自分で対処してアキレス腱の痛みが治ってしまえば最高ですが、やはり悪化している場合はなかなか対処できない事もあります。そんな時はプロに頼るのが一番の対処法かもしれませんね。
とはいえ整体も沢山あるのでどこに行けば良いのか分からないという人もいるはず‥。そこで当整体が実際にアキレス腱の痛みを改善してきた方法を「アキレス腱炎に整体が効く理由/4つのアプローチ」にてご紹介しておくので、あなたが整体院を選ぶ時の参考にしてみてはいかがでしょうか。
3.アキレス腱の痛み「対処法まとめ」
まずアキレス腱の痛みを感じた場合は医療機関で診てもらうことです。その上で「負担の掛かり過ぎ・特に原因ナシ」だった場合は、アキレス腱が痛くなる原因のうち自分に当てはまるものを考えてみましょう。
そこから自分に合った対処法に取り組むことでアキレス腱の痛みが緩和されるはずです。
ただしアキレス腱の痛みをこじらせると痛みをかばって変な歩き方やフォームの癖が付いてしまうので、そんな人は信頼できる整体などを探して頼ってみたほうが良いかもしれません。
あなたも「そのうち治るだろ」でこじらせてしまう前に【早めの対処】でアキレス腱の痛みを解消して下さいね。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。