アキレス腱炎サポーターの効果
ランニング・剣道・バドミントンなどに多いアキレス腱炎。下手をすると長引いて、かばう事で他のケガやパフォーマンス低下にも繋がりかねません。
そこでここではアキレス腱炎サポーターによる「3つの効果」を説明し、また同時に「知っておくべきデメリット」まで解説してあります。
最後にはアキレス腱炎解消への道しるべも記してあるので、ぜひあなたも痛みの無い日常・競技生活を取り戻して下さいね。
1.アキレス腱への「サポーター効果」
1-1.アキレス腱炎に対する「サポーター効果」
(1)痛み軽減
やはりサポーターの一番の効果はこの「痛み軽減」ではないでしょうか。試合間近でアキレス腱炎になった場合などは、サポーターで競技中の痛みが少しでも減ってくれるならば有難いですよね。
特にランニング競技では負担が繰り返し掛かりますし、剣道やバドミントンなどの狭い範囲での瞬発競技にも多いアキレス腱炎。
サポーターによる固定で可動域に制限が掛かり、痛みの出る範囲の動きが少なくなります。また圧迫が強ければ一時的に血流が阻害されて、知覚が鈍るために痛みを感じにくくなります。またサポーターが動きに併せて収縮力を発揮することで筋肉の働きをサポートしてくれるので負担が減ります。
このような痛み軽減効果はケースによって差がありますが、緊急時に多少でも痛みが減るのならばサポーターは心強いものですよね。
(2)血行促進
わりと強い圧迫による「痛み軽減」とは別に、ふくらはぎ全体を軽く圧迫するようなサポーターでは「循環が良くなる」効果があります。
病院では手術後などの循環障害を防ぐためにふくらはぎに弾性ハイソックスを装着しますが、サポーターによる循環促進もそれと同じような効果ではないでしょうか。
血行やリンパの流れが良くなると老廃物や発痛物質が溜まらなくなります。そして傷ついた細胞を修復するための栄養がたっぷり運ばれてくるようになります。
つまりこれはアキレス腱炎に対しても回復力がアップするという事ですね。
(3)安心感
切羽詰まった時には多くの人が神頼みをしますよね。また心配を取り除くために何度も何度も繰り返し準備をしますよね。このように「心のお守り」があると有難いものです。
実際に気持ち一つで痛みが軽くなったり、力が入りやすくなったりした経験は誰にでもある事ではないでしょうか。そのためにサポーターをする事で「何もしていないよりは」という安心感が欲しいという気持ちは痛いほど分かります。
ただしこの効果は「痛みを一時的にごまかす」だけに過ぎず、アキレス腱炎になってしまった原因が治るわけではありません。大事な時にだけ頼るのもアリですが、普段から痛みをごまかして過ごすのは避けた方が良いでしょう。
1-2.知らなきゃいけないデメリット
(1)悪化のおそれ
そもそも痛みというのは「もう限界だよ」という身体からの「SOSサイン」です。まれに神経が過敏になりすぎている場合を除いて、ほとんどの場合は痛みを発する事でその部分の異常事態を知らせてくれています。
アキレス腱炎の場合も、何らかの原因によってアキレス腱への負担が掛かり過ぎている事を知らせてくれているんです。
それなのに原因を何とかせずにサポーターで痛みだけをごまかすのは「カラダからの悲鳴を無視して負担を掛け続ける行為」という事ですね。
(2)筋力低下
固定・圧迫・動きのサポートなどを続けると、自分自身の筋肉の働きが減ります。筋肉というのは使われないと退化していくので、サポーター使用を続けると「筋力低下」を起こします。
筋力低下は「自分自身を支える力」が弱るという事です。これが結果的にアキレス腱炎にも悪いことは分かって頂けるのではないでしょうか。
(3)身体が歪む
サポーター使用によって痛みが軽くなる事で、今まで以上に無理ができるようになります。
しかし痛みが軽減されたとはいえ痛みが消えるわけではなく、また固定力が強ければその分動きが制限されます。
そして人間は無意識のうちに「痛みをかばって」動くので、そんな状態で競技や日常生活を続けると「かばった動き」が身体にインプットされてしまいます。
すると筋肉のバランスが悪くなり、骨格の位置も悪くなり、重心も本来の感覚からズレてしまいます。ところが微妙な変化なので本人は気付きません‥。
これでは仮にそのアキレス腱炎が治ったとしても「カラダの歪み」は残ってしまいます。ケガは治ったのに「パフォーマンスが上がらない・スランプ続き・色んなケガを繰り返す」など、一度ケガをした後にケガを引きずる事が多いのはこういう理由なんです。
2.アキレス腱炎サポーターの種類
2-1.固定タイプ
足首をホールドするようになっているためアキレス腱の可動が制限されたり、動きのサポート力が強いものになります。
圧迫による痛みの軽減効果も期待できるので、競技用サポーターとして一時的に頼るのがおすすめです。
2-2.圧迫循環タイプ
こちらのサポーターはふくらはぎ全体を覆うようなタイプになり、回復力を高めてくれるようなイメージですね。
とはいえそれだけでアキレス腱炎が治るほどのものではないので極端に言えば「気休め程度」、もしくは「他の治療と併行して使うもの」として考えておいたほうが良いでしょう。
2-3.サポーターの選び方
今やなんでもネットで手に入る時代になったので、店舗には行かずに商品を買う人も増えた事でしょう。
しかしサポーター選びは「メーカー」や「サイズ」「タイプ」等によって全く効果の違うものになるので、必ず実際に着けてみて「フィット感」や「痛みの変化」などの着け心地を確認してからにして下さい。
アキレス腱炎になったあなたなら分かるはずですが「大切な自分の体」を守るものです。面倒くさがらずに時間を作り、店舗まで足を運んで選ぶようにして下さいね。
3.サポーターに頼らない「アキレス腱炎改善」
3-1.まずは根本原因を知る
ここまでの説明で分かったようにサポーターは一時的な痛み軽減には効果を発揮する場合もありますが、サポーターだけに頼ると結局長引かせる事になったり、他の部分のケガにも繋がります。
それはアキレス腱炎を引き起こした「根本原因」が残ったままだから。
アキレス腱炎をきちんと完治させるには、まずはその原因を理解する事が第一歩なので「アキレス腱の痛み/4つの原因をプロが解説」を読んでみる事をおすすめします。
3-2.改善方法
自分でできる方法・プロに頼る方法に分けて他の記事にて紹介していくので、そちらを参考にして下さいね。
「アキレス腱ストレッチ/効果的な4つの方法」
「アキレス腱炎にテーピング/簡単で効果的なたった1つの方法」
「アキレス腱炎に整体が効く理由/4つのアプローチ」
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。