シンスプリントも初めは練習ができない程ではないので無理をしてしまいがち‥。
あなたもスネに痛みを感じながらも練習は続けている、または何とか練習したいと願う一人なのではないでしょうか。
そこでテーピングで何とかしたいと思って調べてはみたものの、いざ試してみると効果を感じられなかったり、巻き方も色々あって迷ってしまいますよね。
実際のところテーピングだけでシンスプリントを治すほどの効果は期待できないのです‥。ただしガッカリさせてしまうだけではなく、そんな中でも「少しでも負担緩和・治癒促進になる巻き方」を紹介していきますね。
そしてシンスプリント自体はきちんと対応すればそのほとんどが改善しますし、早期改善も充分にあり得るので安心してください。
ここではテーピングの巻き方だけにフォーカスするのではなく「何のためにテーピングするのか」から「その場しのぎを続けるとどうなるか」また「シンスプリントを治すための道筋」まで紹介していくので、参考にしてみて下さいね。
1.シンスプリントにテーピングを巻く3つの意味
1-1.圧迫して鎮痛
伸縮テーピングでふくらはぎの周りを取り囲むように巻くことで圧迫を加えます。圧迫によって血流が阻止されると神経が鈍るので、痛みが抑えられる効果があるのです。
斜めに張り重ねながらずらしていったり、そのままふくらはぎをぐるりと囲むようにしたりと、巻き方は紹介者によって少し違いますが効果はほとんど同じといって良いでしょう。
そして圧迫による痛みのごまかしという意味ではサポーターと同じような効果なんです。しかしその手間を考えればテーピングを巻くほうが大変で難しいので「圧迫鎮痛だけ」ならばスポーツショップで自分に合うサポーターを探したほうが現実的だと考えられますね。
1-2.本来は筋肉をサポートするけれど‥
伸縮テーピングを少し引っ張りながら筋肉の走行に沿って貼ると、伸びたテーピングが戻ろうとする力によってその筋肉の運動をサポートしてくれます。
ただしシンスプリントの原因筋はほとんどの場合、後脛骨筋や長趾屈筋というスネの奥にある筋肉です。ふくらはぎにも力こぶができるように「表層には分厚い他の筋肉」が存在するので、後脛骨筋や長趾屈筋はその奥の奥にあります。
つまりシンスプリントの原因になる筋肉に対して「筋力サポート」という意味ではほとんど効果を及ぼせないという事です。
1-3.血流をUPして「組織の修復促進」
キネシオテーピングというテーピング理論や他のテーピングの手法でも言われていますが、伸縮テーピングには血流を良くする貼り方があります。
後で紹介しますが、テーピングが弛むような貼り方するとその弛みによって皮膚にシワが寄ります。そのシワが皮膚を持ち上げる事で、その周囲やその奥の血行が良くなるのです。
血行というと「冷え性でもあるまいし‥」と軽視する人もいますが、実はとても重要なんですよ。
痛めた部分を修復する材料(栄養)は血液によって運ばれます。という事は「血流が滞ると治りは悪い」という事です。実際に血流がしばらく止まっただけでその部分は簡単に壊死してしまいます。
即効性は期待できないかもしれませんが、テーピングによる効果という意味ではこの「回復効果」を目的にするのが良いでしょう。
2.シンスプリント用テーピングの巻き方
- 採寸=すねの内側(膝下~土踏まずに掛かるまで)に伸縮テーピングを当てて長さを測ってから切る
- 足の形=つま先を起こして、足首を外に返した状態(小指側を持ち上げる)
- 貼り方=テーピングの片方を土踏まずに張ってから、すねの内側に膝下まで貼る(テーピングは絶対に伸ばさないで)。
- できれば膝内側の皮膚を上に引っぱり「すねの内側の皮膚」を伸ばしたうえで、テーピングは伸ばさずに貼る
これが1-3で紹介した「血流UP効果」を狙うテーピングです。ただし痛みがすぐに引くものではないので、他のシンスプリント対策と併用する事をおすすめします。
また圧迫による痛み軽減効果を狙うテーピングは先ほど説明したようにサポーターで充分なので、ここでは省きます。サポーターの選び方については「シンスプリント用サポーターの効果とデメリット」を参考にしてください。
3.テーピングに頼らない、シンスプリント根本改善
今まで何種類かのテーピングを試したのにあまり効果を実感できなかった人も、ここまで読んだ時点で何となく理由が分かったのではないでしょうか。
「痛みを少しでも和らげて、何とかプレーがしたい」という思いから、テーピングに頼っていた気持ちは私自身痛いほど分かります。しかしその思考ではこれからの大切な期間をずっと痛みと付き合いながら過ごす事にもなり兼ねません。そしてそんな苦しい思いはして欲しくありません。
テーピングで一時的にごまかしながら走るのではなく、シンスプリントを改善して思い切り競技ができるようになるためのヒントを説明していきます。
3-1.痛みは「身体からのメッセージ」
私たちのカラダは嫌がらせで痛みを出しているのではなく大事な意味があるのです。
カラダは本来優秀なもので、疲れたり負担が溜まっても自分で修復して「常に健康状態を保つ」ように設計されています。しかしその自己修復能力を超えて負担が重なった時には、修復が追い付かないので組織は壊れてしまいます。
このままではカラダの健康を保てませんよね。そこで掛かる負担を減らすために出すサインが「痛み」なのです。
つまり痛みとは「ここはもう限界だよ」「ここはもう使わないで」という『身体からのメッセージ』だったんですね。言われてみれば当たり前の事かもしれませんが、実際にはそのメッセージに耳を傾けていない人が多いのではないでしょうか。
3-2.テーピングで一時しのぎを続けると‥
痛い箇所にテーピングで圧迫や固定して競技を続ける。これは私自身もやりましたし、スポーツに関わる者ならば誰でもその気持ちは分かると思います。
しかしこれでは先程の「身体からのメッセージ」を無視して、カラダを痛め続ける行為に他なりません。
もう限界だから「痛みというメッセージ」を出しているのに、痛みを感じないようにごまかして競技をするとさらに酷くなるのは想像がつくと思います。さらにテーピングやサポーターを常用している人は、自分自身の筋肉が少しずつ退化します。
これでは「シンスプリントを治す」というゴールとは逆方向に向かっていますよね。
試合前などの大事な時期だけテーピングに頼るのであれば仕方ありませんが、しっかりと治して思い切り走れるようになるためには根本から改善することをお薦めします。
3-3.シンスプリントを根本改善するには
シンスプリントをしっかり治そうと思えば、どうしてシンスプリントになってしまうのかその原因から知ることが第一歩です。
同じ年齢・体格の人が、同じ練習をしているのにも関わらず、あなただけがシンスプリントになってしまう。おかしな話に思えるかもしれませんが、そこにはハッキリと理由がありました。
「シンスプリント『本当の原因』は2つ」を読んで参考にしてください。
あなたがいつまでも痛みをごまかしながら苦しい競技生活を送るのではなく、思い切り走れるようになることを願っています。
※当記事は整体院の私見ですので、情報活用は自己責任にてお願い致します。またシンスプリントを疑った場合にはまず病院に行かれることをお薦めします。