オスグッドサポーター
「何をしても膝の痛みが取れないからサポーターを着けようかな」「オスグッドは成長痛だからサポーターで乗り切ろう」
あなたもこのように膝の痛みを何とか減らそうと悩んでいる一人なのではないでしょうか。
そこで今回は「サポーターの良い点・悪い点」を説明し、「サポーターに頼らずにオスグッドを改善する方法」までお伝えしていきます。
1.オスグッドサポーターの「良い点・悪い点」
1-1.オスグッドへの2つの効果
(1)痛みの軽減
まず真っ先に挙がるのが「痛み軽減」であり、このためにサポーターを着けると言っても過言ではありませんよね。特に試合間近などの緊急時にはプレー中の痛みが少しでも減ってくれると有難いものです。
これはサポーターによる圧迫で血流が阻止され、そのために知覚が鈍って痛みが和らぐからです。または膝下の骨を直接押さえる事で、太ももの筋肉から引っ張られるのを防ぐからからです。
(2)安心感
そしてもう一つは「安心感」です。気持ち一つで痛みが減ったり・力が入る感じがするという経験は誰しもがある事でしょう。「なんとか少しでも」という時の「この少し」がとても心強いのは間違いありません。
ただしこの二つの効果は人それぞれで、気休めにすらならない場合もあります。また痛み軽減効果も長くは続かずに、少しずつ前よりも痛みが強くなっていく事も少なくありません。
それは痛みという「結果」を一時的にごまかしているだけに過ぎず、どうしてオスグッドになったのかという「根本的な原因」は改善されていないからです。サポーターに頼るのは「大事な時だから少しでも痛みを減らしたい!」という時の応急処置に留め、普段から痛みをごまかし続けるのは避けたほうが良いでしょう。
1-2.デメリットは3つ
サポーター常用によって「症状悪化」もあり得るので、3つの要素に分けて説明していきます。
(1)筋力低下
まずサポートされている事で自分自身の筋肉の働きが減り、長い目で見るとそのぶん「筋力低下」を起こすからです。また圧迫による血流阻止も筋力低下の原因です。使わない筋肉は退化するし・栄養の届かない筋肉は育たないのは当たり前ですよね。
筋力が低下するという事は、自分自身を支える力が弱るという事。これではオスグッドにも良いはずがありません。
(2)痛みはメッセージ
痛みというのは「もう限界だよ」という身体からのメッセージであり、何らかの原因によってその部分に負担が掛かっている事を知らせています。
それなのに痛みだけをごまかすのは「カラダは悲鳴をあげているのに、それを無視して負担を掛け続ける」行為なのです。
(3)カラダが歪む
そして恐いのは、オスグッドによる痛みをかばってプレーする内に「本来の身体の使い方」を忘れてしまい、「かばった動き」が身体にインプットされてしまう事です。
その癖によって身体は歪み、筋肉のバランスが悪くなり、重心の位置もズレたままになりますが、ほんの微妙な違いなので本人は気付きません。
これでは仮に痛み減ったとしても「バランス」が悪くなり「身体の軸」も取りづらくなるので、その後のパフォーマンスも上がりません。その結果反対の膝にオスグッドが現れたり、他の箇所を痛めるなど、一度ケガをすると何度もケガをしやすくなる理由がこれです。
2.オスグッド病サポーター「おすすめの選び方」
2-1.ベルトタイプ
幅2~3センチのベルト状のサポーターで、痛む膝下の骨を押さえるように巻いて使用します。
膝自体の固定は無いのでスポーツ時の動きやすさという点ではおすすめです。筋力低下も少ないですがそのぶん太ももの筋肉に掛かる負担は変わらないので、骨を引っ張る筋肉は硬いまま、もしくは更に硬くなっていきます。
2-2.全体を覆うタイプ
膝全体を覆うタイプのサポーターで、膝の動きそのものを制限したりサポートします。
膝を少し曲げるだけでも痛みが出てしまうほどのオスグッドには、安心感も含めてこちらの方がオススメかもしれません。ただし動きづらさは感じるので、競技に使用する際はこちらの方がパフォーマンス低下になる事もあります。
2-3.通販ではなく実際に試して購入
今はネットで何でも手に入る時代ですので、店舗には行かずにサポーター選びもネットで済ます人もいるかも知れないですね。
しかし「メーカーの差」や「サイズによるフィット感」「タイプの違い」等があるので、実際に着けてみなければ「着け心地」や「痛みの軽減具合」は分かりません。さらにはサポーター自体が効かない事も考えられるので、必ずスポーツショップに行って試着してから買うようにして下さいね。
大切な自分の身体(もしくは我が子の身体)、面倒くさいと言わずに時間を見つけて足を運びましょう。
3.サポーターに頼らない「オスグッド改善方法」
3-1.まずは原因を知る事
ここまで説明してきたようにサポーターでは一時的に痛みを誤魔化せたとしても、結局長引いたり、反対の膝や他の箇所が痛くなるおそれがあります。それはオスグッドを生じた「原因」がそのまま残っているからです。
オスグッドをきちんと完治(かばって他の部分に痛みを出さないように)させるには、まずはその原因を知る事が第一歩です。
「太ももの筋肉」が硬くなって縮むことで、その付着部である「膝下の骨」が引っ張られて炎症を起こしてしまった状態がオスグッドです。そして成長痛と言われますが、子供が全員なる訳ではありません。
オスグッドになる子には共通した原因があり、その原因によって太ももの筋肉が硬くなるのです。詳しくは「オスグッドの原因/病院では教えてくれない4つの要素」に記してあります。
3-2.自分でできるストレッチ
オスグッドに対して自分でできる代表的な対策としてストレッチがあります。
痛みの元である「太ももの筋肉」を緩めるのはもちろん、他にも大事な筋肉を緩める事でフォーム・姿勢改善に繋がるストレッチを「オスグッドに効くストレッチ/治療効果が驚くほど上がる4つの方法」に記してあるので、オスグッドケアの参考にして下さいね。
またストレッチと並行してテーピングを貼ることも良いでしょう。適切なテーピングの貼り方や注意点はこちら「オスグッドに効くテーピング/これだけで効果的な2つの方法」
3-3.プロに任せる
サポーターだけでなくセルフケアもしているのにオスグッドがいつまでも治らないのは、その対策が間違っているのかもしれません‥。もしくは原因が根深いとセルフケア程度では効かない場合もあります。
どちらにせよ良くなっていかないならば整体や治療院などのプロに任せる事をおすすめします。なぜならば当整体にもオスグッドに悩むお子さんが沢山来ますがそのほとんどは改善し、1~3回での早期改善も珍しくないからです。
「え?今現在接骨院などに通っているけど治っていないよ‥」という人もいると思いますが、電気・むやみなマッサージ・バキボキ矯正ではオスグッドは良くなりません。
「オスグッド改善5つの方法/プロの本音とは」においてどうやってオスグッドを改善しているかを解説しておくので、これを参考に治療院を探してみてください。
4.オスグッドサポーターまとめ
実際に痛みを軽減してくれる場合もあるので「この試合はなんとしても!」という時にはサポーターが心強い味方になってくれる事でしょう。
ただし長い期間サポーターに頼っていてはいつまで経ってもオスグッドは良くならないので、サポーターはあくまでも試合前などの「大事な時」だけにしてください。もしごまかし続けたまま痛みが消えたとしても原因が残ったままでは、大人になってから後遺症に悩まされる場合もあります「オスグッドの後遺症/大人になってからも『再発する原因』と改善方法」
そして多くのオスグッドは、根本原因を取り除けば一時的にごまかすまでもなく早期に改善していきます。もちろん重症化している子は根本改善するのは少し時間が掛かるかもしれませんが、それでもその場しのぎを続けるよりは余程近道になるのは間違いないですし、再発予防にも繋がります。
プロに任せるにしろ、自分でケアするにしろ、思い切り好きなスポーツに打ち込むためにしっかりとオスグッドを改善していってくださいね。
※当記事は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用はあくまでも自己責任にてお願い致します。またオスグッドを疑った時にはまず医療機関の受診をおすすめします。