産後の股関節痛の原因
出産のダメージも癒えぬうちから壮絶な子育てに追われるママさんの身体は満身創痍。そんな中でも股関節痛は代表的な悩みなのではないでしょうか。
この記事では「産後の股関節痛の原因」から「股関節痛を取り除く方法」をストレッチなど4つの視点からご紹介してあるので、ぜひあなたの股関節痛解消のための道しるべにして下さいね。
もし痛みはなく違和感程度だから‥と放置してしまっている人がいたら、楽観視できない理由を「股関節の違和感/その原因と2つの改善方法」に紹介してあるのでどうぞ。
1.産後の股関節痛3つの原因
1-1.ホルモン分泌
妊娠3か月~産後3日くらいまでは「リラキシン」というホルモンが分泌されています。このリラキシンはお産の時に赤ちゃんが骨盤を通りやすくする為に「恥骨結合を緩める作用」があります。
そして実はこの作用によって恥骨以外にも「全身の靭帯」が緩まるのです。
関節は主に靭帯と筋肉によって支えられているので、靭帯が緩むと筋肉への負担が増え、関節自体のストレスも増加します。
また妊娠中には「エストロゲン・プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が増えていますが出産が終わると急激に減少し、産後は母乳の分泌・産生のため「プロラクチン」というホルモンが大量に分泌されます。
このような女性ホルモンの急激な変化にカラダはすぐに対応できないので「自律神経」も乱れます。すると自分自身の回復力が落ちてしまい、体に掛かった疲労を回復しづらい体になってしまうのです。
このように女性ホルモンの働きや急激な変化も「産後の股関節痛の原因」の一つと考えられます。
1-2.骨盤底筋の緩み
「骨盤底筋」とは骨盤の底にあるハンモック状の筋肉で、膀胱・子宮・腸などの内臓が下がらないように下から支えています。
そして緩んだ骨盤が締まってくるまでには数か月も掛かると言われますが、本来は骨盤の底にある薄い膜状の筋肉(骨盤底筋)が締まる事でカラダを支えていられます。
ところが筋肉は使われなければ退化していくもの。現代人は体を動かす事が少ないためにこの骨盤底筋も弱いのです。
すると産後の緩んだ骨盤をカバーできないので股関節痛の原因へと繋がります。
1-3.カラダの歪み
元々歪みを抱えている人はそれが原因になりますが、妊娠中から産後はホルモンの影響で関節が緩みやすいのでどうしても「カラダが歪みやすい期間」になります。
さらに追い打ちを掛けるように「ホルモンバランスの乱れ」で体自体の回復力も低下していう上に「抱っこ・授乳などで姿勢不良」にもならざるを得ません。
これではどうしても身体は歪んだまま定着してしまうんですね。
そして腰が痛かろうが、肩が凝ろうが、手首が痛かろうが、股関節が痛かろうが赤ちゃんは待ってくれません‥。もし何でも一人で抱えがちなママさんや、一人で頑張らざるを得ないママさんはどうしても歪みも強くなりがちなので、産後の股関節痛を招かないためにはケアの意識を忘れないで下さいね。
2.産後の股関節痛「解消法」
2-1.骨盤底筋エクササイズ
- 仰向けで寝る
- 足を肩幅に開く(膝を立ててもOK)
- お尻の穴をギュッと締めて、そのまま5秒数える
- これを5秒×10セット行う。
お尻の穴を締める感覚が分からなければ、おしっこを我慢する感じで力を入れる方が分かりやすいかもしれませんね。この時に腹筋やお尻の筋肉には力が入らないように骨盤底筋だけを意識して下さい。
そして慣れてくると寝た状態だけでなく、座っていても立っていてもこれをできるようになります。さらに応用編として
- 床に座った状態で両足を揃えて前に伸ばす
- ウォーキングをするように肘を曲げる
- そのままお尻で歩く(右・左・右・左と交互に前に出す)
これを10歩進んで10歩戻ってきましょう。腰をひねって腕を振って、実際に歩くようにしながらお尻を交互に前に進めます。これが面倒くさければ初めに解説した骨盤底筋を締めるだけでも良いので、自分の筋肉で骨盤を支えられるようになれば産後の股関節痛は和らぐはずですよ。
2-2.歪む姿勢をやめる
産後はどうしても授乳などで猫背になるのは仕方がありません‥。しかしそれでも身体を歪ませる体勢にはなるべくならないようにしましょう。
アヒル座り・横座り・足組座りなどは当然ダメですし、いつも同じ方向ばかり向いて寝るのもダメですよ。寝ながら授乳する事もあるかもしれませんが、できるだけ左右交互にバランス良くして下さい。
またいつも同じ側の手で抱っこしたり、いつまで経ってもおんぶではなく前抱っこなど無意識に同じ動作ばかりをやりがちなもの。もちろん赤ちゃん第一になるので自分の体勢には構っていられないのは分かりますが、それでもなるべく身体に負担が少ないように工夫していく事が産後の股関節解消への第一歩です。
2-3.ストレッチ
産後限定ではありませんが股関節痛におすすめのストレッチを「股関節の痛みにストレッチ/効果的な4つの方法」にて紹介してあります。
ただし産後はまだ関節が緩み過ぎている可能性があるので、あくまでも筋肉を無理に伸ばそうとはしないで下さい。呼吸を止めずにゆったりと伸ばしたり緩めたりする事でポンプ作用が働き、そのポンプによって血行が良くなる事で栄養が届くようになるので痛んだ股関節周辺の組織も修復できるようになるのです。
2-4.整体
自分で色々取り組んでみたけれどなかなか産後の股関節痛が取れない人がいるのも事実です。それだけ股関節は複雑な働きをしている箇所なので、しっかりと身体のプロである整体院を頼ってみるのも一つの方法ですよ。
もちろん整体も溢れている時代ですので、その技術もピンからキリまで様々です。名古屋近郊にお住まいの人は当整体「名古屋で産後骨盤矯正」にご相談下さってもけっこうですが、全国の皆さんはそうもいかないですよね‥。
「股関節の痛みは整体で治る/4つの方法をプロが解説」には、実際にどうやって股関節痛を改善してきたのかを紹介してあるので、是非あなたの産後の整体選びの参考にしてみて下さい。
産後は骨盤が緩んでいるので歪みやすく、その後半年くらいでそのまま骨盤が締まってしまいます。つまり歪んで固まる前にその原因を整えるのが一番の近道ですが、どれだけ経っていても手遅れではありません。産後の股関節痛が自分の手に負えないと感じたらすぐにプロに頼って下さいね。
3.産後の股関節痛まとめ
産後の股関節痛改善には上記の方法はもちろんですが、他には「食事」も大切な要素です。産後はただでさえ授乳によって栄養を赤ちゃんに分け与えているのに、さらに栄養不足も重なれば自分の体を回復できるはずがないですからね‥。
また何でも自分一人で頑張ってしまう人も要注意。どうしようもない事情があれば仕方ありませんが、人に頼らず自分だけで抱え込んだり、神経質になりすぎて頑張るのは自分で体を壊しているようなものです。
出来る事なら実家にも少し助けてもらったり、旦那さんにも助けてもらったり、またはレトルトやミルクに頼る事でママの身体が楽になるのならば少しくらいは頼っても良いのではないでしょうか。
頑張っても身体にも心にも支障を来たさない人は頑張れば良いですが、股関節痛をはじめ痛みや不調に悩まされている産後ママは「頑張り過ぎない・身体のケア・人に頼る」などでその原因を減らす工夫もして下さいね。
やはり赤ちゃんにとって一番嬉しいのはママが笑顔でいてくれる事です。上手に周りに助けてもらいながら元気な体と笑顔でいられる様に工夫してみて下さいね。
※本稿は私見であり医学的根拠を保証するものではありませんので、情報活用は自己責任にてお願い致します。