「病院でもらった薬を飲んでいても、頭痛が全然治らない‥」
こんな声を沢山耳にしますが、頭が痛いとストレスになるだけでなく、ひどくなると何も手に付かないくらい辛いものですよね。そして厄介なのはその多くが簡単には治らないという事です。
その治らない理由は以下の2つ。
- 頭痛薬で一時的には楽になっても「根本原因が改善されていない」
- 薬の常用によって「薬物乱用頭痛」を引き起こしている
まずはこの2つについて説明したうえで「頭痛の改善方法」や「頭痛の時にやってはいけない事」まで解説していきます。これであなたの悩みも解消されるはずですよ。
1.頭痛薬では一時的に楽になるが、根本原因は治らない
1-1.ごまかしに過ぎない頭痛薬
あなた自身も気付いていると思いますが、頭痛薬は「一時しのぎ」に過ぎません。
もちろん「頭が痛くて仕事にならない」「日常生活さえもままならない」という人もいますよね‥。そんな時に頭痛薬で頭痛をごまかせる事がどれだけ有難いのかは私にも分かります。
しかし薬に助けられる反面、服用を続けると体に負担を掛けてしまうのまた事実。常用しなくても頭痛にならない身体に変えていきましょうね。
1-2.頭痛が治らないのは「薬物乱用頭痛」かも
一度きつい頭痛を経験したり、常に頭が痛い人は、また頭痛が起きることへの不安から予防的に鎮痛剤を常用するようになります。
すると体に耐性ができるのでだんだん効かなくなり、薬を飲む回数や量が増えていきます。その結果、薬の蓄積による副反応が現れたり、脳が痛みに敏感になってしまい、いつまでも頭が痛いのです。
とはいえ薬を止めればこの薬物乱用頭痛自体は収まりますが、元々の頭痛の原因が残っていればまた痛みは出てしまいます‥。
つまり「根本原因」から改善しなければ頭痛は治らないという事ですね。
2.治らない頭痛、原因が違う2つのタイプ
今や日本人の4人に1人が頭痛持ちと言われる程ですが、そのほとんどの人が次の二つのタイプに当てはまります。(ただしまれに脳血管疾患などの重大な病気の場合も考えられるので、ひどい場合は自己判断せずに病院で検査を受けて下さいね)
2-1.緊張型頭痛
緊張型頭痛とは「筋肉の緊張」と「精神の緊張」によっておこる頭痛の総称です。その多くは筋肉の緊張によって起こりますが、簡単に言うと「コリ・張り」ですね。
筋肉が凝ると血流が悪くなり、筋肉内に老廃物が溜まります。それが周りの神経を刺激して、締め付けられるような痛みを引き起こすのです。つまり首・肩・背中にかけてのコリによって起こる頭痛という事です。
またそのように極度のコリがあるという事は、体は常にストレスを感じている状態です。
例えばイライラしている時には些細な事でも怒りやすくなりますよね?脳にある「痛みをコントロールする機能」はストレスによって過敏になるので、少しの緊張でもすぐに頭痛を感じるようになるのです。
この緊張型頭痛の場合は「体が温まる・筋肉がほぐれる」と血流が回復して楽になる事が多いでしょう。
2-2.片頭痛
「ズキンズキン」あるいは「ガンガン」と脈打つように頭が痛み、頭痛以外の吐き気や嘔吐といった症状も現れるのがその特徴。
通常は血管が拡張した時には血流が良くなります。ところが一部だけが収縮したまま拡張できない事があり、そこで血流がせき止められてしまいます。
このように脳の血管の中でも血流が良い部分と悪い部分が同時に生じた場合に「片頭痛」が起きると言われています。
そしてこの「血管の拡張・収縮」というのは自分の意識でコントロールできるものではなく、「自律神経」という神経が無意識のうちに体の機能をコントロールしてくれているのです。
つまり片頭痛がなかなか治らない人は、何らかの原因でこの自律神経の働きが狂っている可能性が高いのです。
3.治らない頭痛の改善方法
3-1.治らない頭痛の根本は「歪み・姿勢不良」
実は緊張型頭痛・片頭痛の人どちらにも共通しているのが「体の歪み」と「姿勢不良」を抱えている人が多いことです。そしてその「歪み・悪い姿勢」をきちんと正せれば何年来の頭痛でも消えていく事が多いんです。
「えっ、何が関係あるの?」と思われた人もいるかもしれませんね。しかし人間の頭はボーリングの球ほどの重さがあります。これが真っすぐ身体に積み重なっていれば負担も少ないですが、体が歪んでいたり姿勢が悪いと支える筋肉に大きな負担が掛かります。
こうして常に筋肉に「疲れ・血行不良」があるということは、身体は常にストレスを感じています。ストレスは自律神経の乱れに直結するので、体の歪み・姿勢不良は自律神経の乱れを招くという事ですね。
つまりこの「歪み・姿勢不良」を改善すれば緊張型頭痛の原因であるコリが無くなり、片頭痛の原因である自律神経の乱れも改善されるという事です。
3-2.治らない頭痛は、信頼のおける整体へ
頭痛が治らなくて悩んでいる人は、ぜひ信頼のおける整体院を見つけください。ただし整体といっても「リラクゼーションのように揉むだけ」や「バキバキ鳴らすだけの壊し屋さん」などではありません。
本当ならば骨格にも筋肉にも精通していて、体に負担の少ない施術ができ、さらに予防のエクササイズやストレッチにも強い先生がおすすめですが、果たしてそんな先生があなたの周りにいるのかは分かりません‥。
しかしそこまでの整体院は無かったとしても、何か一つでも強みを持った整体院が近くにあるはずです。
あなた自身の大事な体の事ですので、適当にごまかすのではなくて根本からの改善を目指して良い整体を見つけてください。良い整体の見分け方についてはまた別の機会にご紹介しますね。
そして痛みが無くなっても1カ月か2カ月に1度は「身体のメンテナンス」として整体を受ける事で、頭痛だけでなく色んな体の不調を予防する事に繋がりますよ。
3-3.自力整体で頭痛を治す
プロである整体で歪み・姿勢不良を正してもらうのが一番ですが、しっかりした整体院が見つからない場合や、多忙・金銭的理由などからなかなか行けないという人もいるはずです。
しかしそんな場合でもなるべく自分でカラダを整えられるようにポイントを紹介しますね。
まず肩甲骨や首の運動をする人はちょくちょくいると思いますが、実はもっと動かさなければならないのは骨盤周りなんです。座っている時も立っている時も骨盤の上に背骨があり、その上に頭が乗っています。という事は土台である骨盤周りが固まっていると、肩や首も固まってくるのは当然ですよね。
ですので肩や首の運動も良いですが、まずは骨盤体操をやってから他の部分も動かすようにすると効果的です。(片頭痛の人は動かすと痛みがひどくなるので、頭が痛くないうちにおこなって下さい)
これを続けると骨盤周りから柔軟性が戻るので自然と全身の血行がよくなります。
そして緊張型頭痛の人も片頭痛の人も、自律神経を整える事を忘れてはいけません。⇒「自律神経を整える/体質改善のための12の方法」
もちろんこれで歪みや姿勢がきちんと改善されるわけではありませんが、薬でごまかしているよりはるかに頭痛に効果的ですよ。
4.「治らないどころか‥」頭痛の時にやってはいけない事
4-1.マッサージ
まず片頭痛の場合は血流を良くするとさらに痛みが増すのでマッサージは厳禁です。
そして実は緊張型頭痛の場合も強いマッサージはダメなんです‥。筋肉のコリが原因ならば揉みほぐせば良いのかと思って、自分でゴリゴリしたりマッサージ屋さんに行く人がいますが、その結果良くなっていないのではないでしょうか。
筋肉をゴリゴリすると筋線維が傷んだり、その刺激への防御反応からよけいに固くなってしまうので、スッキリするような気がしても結局逆効果になってしまうのです。
4-2.スマホやパソコン
まず光が目に入る刺激が続くと自律神経が狂ってくるので、直接片頭痛へと繋がります。そして前屈み・うつむき姿勢が続くと、歪みや筋肉のコリを生み出すので緊張型頭痛へと繋がります。
仕事中はやむを得ませんが、オフの時間まで自分自身に負担を掛ける事になるスマホやパソコン。なるべく時間を減らして体がリラックスできる様にして下さいね。
4-3.温める・冷やす
どちらもダメな訳ではありませんよ。
緊張型頭痛の人は体を冷やすと更に血流が悪くなり悪化するので、湯船や運動やストレッチで温めたほうがその場は楽になるでしょう。
片頭痛が出ている時は血流を良くすると逆に痛みが増す事が多いので、湯船や運動は控えて体は温めないようにしてください。
5.「治らない頭痛」まとめ
いかがでしたでしょうか。あなたも今まで良かれと思ってマッサージをしたり、頭痛薬に頼ったまま何年も苦しんでいた一人ではないでしょうか。
しかし根本原因から整えれば多くの頭痛は改善していきます。我慢している時間が長くなるほど根本は根深くなってしまうので、できるだけ早めに良い整体を見つけたり、自分でできるものは改善していってくださいね。